除菌活性試験(合成洗剤・石けん)
概要
洗剤・石けん公正取引協議会の公認試験機関として、以下の3つの除菌試験を実施しています。
- 住宅用合成洗剤及び石けんの除菌活性試験方法
家庭用品品質表示法に規定される合成洗剤及び石けんで、住宅用、または家具用に供されるものを対象とします。硬質表面上の細菌に対する除菌効果を評価する試験方法です。
- スポンジに対する台所用合成洗剤及び石けんの除菌活性試験方法
家庭用品品質表示法に規定される台所用合成洗剤及び石けんを対象とし、スポンジの細菌に対する除菌効果を評価する試験方法です。
- 洗濯用合成洗剤及び石けんの除菌活性試験方法
家庭用品品質表示法に規定される洗濯用合成洗剤及び石けんを対象とし、繊維製品上の細菌に対する除菌効果を評価する試験方法です。
洗剤・石けん公正取引協議会では、「除菌」とは「物理的、化学的または生物学的作用などにより、対象物から増殖可能な細菌の数(生菌数)を有効数減少させること」と定義されています。
住宅用合成洗剤及び石けんの除菌活性試験方法
試験方法
- 試験片(直径20mmのステンレス鋼製円板)の表面に、試験菌液を塗布します。

- 試験片上の試験菌液が外見上乾くまで静置します。
- 2項の表面に試験試料(洗剤)または対照試料を0.1ml塗布し、5分間静置します。

- 除菌反応を停止させるため、不活性化剤を入れたバイアル瓶に3項の試験片を投入し、さらにガラスビーズを入れて撹拌し、試験片上の細菌を抽出します。

- 4項の抽出液を、混釈平板培養法にて培養後、コロニー数から生菌数を求め、以下の式から除菌活性値を算出します。
除菌活性値=Avc-Avs
Avc:対照試料で処理した試験片上の生菌数の常用対数値の平均値
Avs:試験試料で処理した試験片上の生菌数の常用対数値の平均値
試験結果の見方
洗剤・石けん公正取引協議会による基準値
- 大腸菌および黄色ぶどう球菌で、「除菌効果のない対照試料」に対して除菌活性値≧2(生菌数を1/100以下に減少させること)
スポンジに対する台所用合成洗剤及び石けんの除菌活性試験方法
試験方法
- 試験片(直径24mm、厚さ30mmの円柱状のスポンジ)をねじ口瓶に入れ、試験菌液を接種し、試験片棒で10回以上揉み、1時間放置します。

- 1項の試験片に試験試料(原液)または対照試料を0.5ml接種し、試験片棒で100回以上揉み、18時間放置します。

- 除菌反応を停止させるため、2項の試験片に不活性化剤を添加し、試験片棒で20回以上揉み、試験片から細菌を抽出します。

- 3項の抽出液を混釈平板培養法にて培養後、コロニー数から生菌数を求め、以下の式から除菌活性値を算出します。
除菌活性値=Avc-Avs
Avc:対照試料で処理した試験片上の生菌数の常用対数値の平均値
Avs:試験試料で処理した試験片上の生菌数の常用対数値の平均値
試験結果の見方
洗剤・石けん公正取引協議会による基準値
- 大腸菌および黄色ぶどう球菌で、「除菌効果のない対照試料」に対して除菌活性値≧2(生菌数を1/100以下に減少させること)
洗濯用合成洗剤及び石けんの除菌活性試験方法
試験方法
- 3枚の試験片(綿布)それぞれに水を接種し、その後試験菌液を接種し、所定時間乾燥させます。

- 1項の試験片を、負荷布(綿布)を巻き付けたスピンドルの9巻き目と10巻き目の間に1枚、10巻き目と11巻き目の間に2枚挿入します。

- 2項の試験片を挿入したスピンドルを試験試料溶液または対照試料溶液の入った容器に入れ、回転装置で10分間回転します。

- スピンドルから試験片3枚を取り出し、除菌反応を停止させるため、不活性化剤を入れた遠沈管に入れ撹拌し、細菌を抽出します。

- 4項の抽出液を混釈平板培養法にて培養後、コロニー数から生菌数を求め、以下の式から除菌活性値を算出します。
除菌活性値=Avc-Avs
Avc:対照試料で処理した試験片上の生菌数の常用対数値の平均値
Avs:試験試料で処理した試験片上の生菌数の常用対数値の平均値
試験結果例
試験項目 |
試験結果 |
除菌活性値 |
大腸菌 |
3.0 |
黄色ぶどう球菌 |
2.0 |
「試料:洗濯用洗剤(試料濃度:1.3g/L)
試験結果の見方
洗剤・石けん公正取引協議会による基準値
- 大腸菌および黄色ぶどう球菌で、「除菌効果のない対照試料」に対して除菌活性値≧2(生菌数を1/100以下に減少させること)