繊維製品の抗ウイルス効果を評価する試験です。
「Textiles -- Determination of antiviral activity of textile products」(繊維-繊維製品の抗ウイルス活性の求め方)と定義されています。繊維製品上に付着したウイルスの感染価(細胞感染性を持つウイルス粒子の数)が減少する度合いを確認します。
ウイルスに感染した細胞が変性することを利用したウイルス量の測定方法です。
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プラークが形成した6穴プレート |
ISO 18184 の附属書G(参考) 、SEKマーク繊維製品認証基準では基準値が設定されています。
規格・基準 | 抗ウイルス活性値Mv | 効果の説明 |
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ISO 18184 Annex G | 3.0>Mv≧2.0 | Small effect |
Mv≧3.0 | Full effect | |
SEKマーク繊維製品認証基準 | Mv≧3.0 | ー |
評価の対象ウイルス・宿主細胞は以下の通りです。
A型インフルエンザウイルス (H3N2) ATCC VR-1679
宿主細胞:MDCK細胞 ATCC CCL-34
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ウイルス感染前のMDCK細胞 | ウイルス感染後のMDCK細胞 |
ネコカリシウイルス (F-9株) ATCC VR-782
宿主細胞:CRFK細胞 ATTC CCL-94
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ウイルス感染前のMDCK細胞 | ウイルス感染後のMDCK細胞 |
ウイルスとは、核酸であるDNA、RNAの遺伝子とその周りにあるタンパク質の殻で構成されており、更にエンベロープという脂質に包まれているものもあります。エンベロープがあるものの代表例として、インフルエンザウイルスがあり、エンベロープがないものの代表例としてはノロウイルスがあります。
ウイルスは自己増殖ができず、宿主細胞と呼ばれる動物などの細胞に感染して増殖していきます。
試験操作等はJIS L 1922(ISO 18184)に準じ、試験片に接種するウイルス液に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を用いた方法です。
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接種直後 | 接種24時間後 | 接種48時間後 |