アメリカの法律と表示

     アメリカで販売される繊維製品に適用される連邦法および連邦規制の概要です。なお、アメリカには連邦法だけでなく州法が存在しますので、販売を展開する地域の州法を確認することも必要です。

     

    ー安全性についてー

     アメリカで衣料品を販売する際には、安全性とその適合証明書(GCC※1およびCPC※2)についてご確認ください。アメリカでは、可燃性織物法(Flammable Fabric Act:FFA)という連邦法により、燃えやすい素材を衣料品に使うことが禁止されているほか、子ども向け製品に対する化学物質の規制があります。

     

    ※1 GCCとは?

     消費者製品安全性改善法(CPSIAConsumer Product Safety Improvement Act)が指定する基準への適合を証明する書類を「一般適合証明書(GCCGeneral Certificate of Conformity)」と呼び、対象製品を出荷する際は、このGCCを添付することが義務付けられています。GCCの作成・発行義務は、輸入品の場合輸入者に、米国内国産品の場合は製造者に課されます。
     衣料品の場合は可燃性基準が要求されますが、その他にも多くの工業製品がGCC発行の対象となり、製品カテゴリごとに要求される基準は異なります。
     

    GCCの概要

    https://www.cpsc.gov/Business--Manufacturing/Testing-Certification/General-Certificate-of-Conformity-GCC

    GCCのFAQ
    https://www.cpsc.gov/FAQ/GCC

    GCCの対象製品
    https://www.cpsc.gov/Business--Manufacturing/Testing-Certification/Lab-Accreditation/Rules-Requiring-a-General-Certificate-of-Conformity
     

    ※2 CPCとは?

     CPSIAが指定する子ども向け製品基準への適合を証明する書類は「子ども製品適合証明書(CPC:Children's Product Certificate)」と呼ばれます。
     CPC発行のための安全性確認試験は、CPSC(the U.S Consumer Product Safety Commission:消費者製品安全委員会)に登録された第三者検査機関で実施する必要があります。
     

    CPCの概要
    https://www.cpsc.gov/Business--Manufacturing/Testing-Certification/Childrens-Product-Certificate

    CPCのFAQ
    https://www.cpsc.gov/FAQ/CPC

    CPCの対象製品
    https://www.cpsc.gov/Business--Manufacturing/Testing-Certification/Lab-Accreditation/Rules-Requiring-Third-Party-Testing


     GCCやCPCは輸入者や製造者が発行する書類であり、試験機関で発行するものではありませんが、当センター 東京事業所 川口ラボではGCC作成サポート業務を承っております。

     

    大人向け衣料品の安全性

     米国で販売する大人向け衣料品は、使用する生地がCPSIAが要求する可燃性基準に適合していることを確認した上で、GCCを発行する必要があります。

     この基準への適合性は、連邦取引委員会規則 「16 CFR Part 1610 Standard for the Flammability of Clothing Textiles」に規定される可燃性試験方法で確認します。

     基本的にはアメリカで販売されるすべての衣料品に対し発行が必要ですが、生地の質量もしくは組成の条件により、可燃性試験およびGCCの発行が免除される場合があります。

    子ども向け衣料品の安全性
     米国で販売する子ども向け衣料品は、可燃性に加え化学物質基準や物理的安全基準への適合を確認の上、CPCを発行する義務があります。
     当センター大阪事業所 環境化学分析ラボおよび上海科懇検験服務有限公司はCPSCの登録検査機関であり、子ども向け衣料品に必要な 鉛の含有量試験 および フタル酸エステル類の定量試験 可燃性試験 を実施しています。


     

    ー表示についてー

     衣料品の組成表示と取扱い表示に対する決まりは、日本なら同じ「家庭用品品質表示法」が規定していますが、アメリカでは異なる連邦法・連邦規則によって規定されています。製品アイテムが何か、毛を含むかなどで、法令が適用されるかどうかを判断します。

    組成表示

     天然繊維は一般的な名称を用いて繊維名を表示します。合成繊維は、16 CFR 303が定める用語または ISO 2076が定める用語を用いて繊維名を表示します。
     天然毛皮を使用している場合は、毛皮の産地や加工方法などについても表示が必要です。
     合成皮革を天然皮革と誤認させるような表示を行ってはいけないなど、天然皮革・合成皮革についても表示方法が決められています。
    <主要な規則>

    • 繊維製品:16 CFR 303 Rules and Regulations under the Textile Fiber Products Identification Act
    • 毛製品:16 CFR 300 Rules and Regulations under the Wool Products Labeling Act
    • 天然毛皮製品:16 CFR 301 Rules and regulations under fur products labeling act
    • 天然皮革・合成皮革製品:16 CFR 24 Guides for select leather and imitation leather products


    取扱い表示
     「16 CFR 423  Care Labeling of Textile Wearing Apparel and Certain Piece Goods」の用語集にならった文章またはASTM D5489-96cの図柄で取扱い方法を指示します。

     組成表示・取扱い表示以外にも、社名、原産国を表示します。また、「抗菌」「抗ウイルス」「防虫」などの機能訴求を行う場合は薬剤や製品の認可登録が義務であり、注意が必要です。


    当ページの記載内容については、お気軽に下記までお問い合わせ下さい。

    規制について
     国際部 グローバルテクニカルサポート室
     TEL 03-6736-5408  MAIL  kokusai-info@kaken.or.jp
    GCC作成サポートについて
     東京事業所 川口ラボ TEL 048-258-3277
    可燃性試験について
     東京事業所 川口ラボ TEL  048-258-3277     
     大阪事業所 資材ラボ TEL  06-6441-6756
     香港検査所      TEL  +852-2797-3811  MAIL  hk-repml@kaken.or.jp
     上海科懇検験服務有限公司  TEL  +86-21-6406-1138  MAIL  shanghai-ml@kaken.or.jp
    化学分析試験について
     大阪事業所 環境化学分析ラボ TEL  078-854-0333