RoHS

     RoHS(Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment)とは、EUにおける電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する指令のことです。重金属(カドミウム、鉛、水銀、6価クロム)、ポリ臭素化ビフェニール(PBB)、ポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDE)、フタル酸エステル4物質の合計10物質の使用が制限されます。

     また、RoHSはEUにおける電気・電子機器を対象とした規制ですが、日本国内においても多くの分野で鉛、カドミウムといった有害物質に関する試験・検査の1つとして広く活用されています。

    • 制限値
    制限物質名 制限値
    重金属 カドミウム(Cd) 100ppm (0.01wt%,100mg/kg,100μg/g)
    鉛(Pb) 1000ppm (0.1wt%,1000mg/kg,1000μg/g)
    水銀(Hg) 1000ppm (0.1wt%,1000mg/kg,1000μg/g)
    6価クロム(Cr(Ⅵ)) 1000ppm (0.1wt%,1000mg/kg,1000μg/g)
    臭素系難燃剤 ポリ臭素化ビフェニール(PBB) 1000ppm (0.1wt%,1000mg/kg,1000μg/g)
    ポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDE) 1000ppm (0.1wt%,1000mg/kg,1000μg/g)
    フタル酸
    エステル類
    フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)(DEHP) 1000ppm (0.1wt%,1000mg/kg,1000μg/g)
    フタル酸ブチルベンジル (BBP) 1000ppm (0.1wt%,1000mg/kg,1000μg/g)
    フタル酸ジブチル (DBP) 1000ppm (0.1wt%,1000mg/kg,1000μg/g)
    フタル酸ジイソブチル (DIBP) 1000ppm (0.1wt%,1000mg/kg,1000μg/g)


     

    • 測定方法
    制限物質 スクリーニング分析
    (簡易分析)
    精密分析
    カドミウム・鉛・水銀(Cd・Pb・Hg) 蛍光X線分析法(EDX) ICP質量分析法(ICP-MS)
    ICP発光分光分析法(ICP-OES)
    6価クロム(Cr6+) 蛍光X線分析法(EDX)※1 ジフェニルカルバジド吸光光度法(UV)
    臭素系難燃剤 蛍光X線分析法(EDX)※2 ガスクロマトグラフィ質量分析法(GC-MS)
    フタル酸エステル(DEHP, DBP, DIBP, BBP) ガスクロマトグラフィ質量分析法(GC-MS)

    ※1 : 全クロムとして分析します。検出された場合、精密分析による確認が必要です。
    ※2 : 全臭素として分析します。検出された場合、精密分析による確認が必要です。


     スクリーニング分析では、低コストかつ迅速に結果が得られますが、スクリーニングで検出された場合に精密分析による確認が必要となり、トータルでは高コスト、長時間を要する場合もあります。
     

     
    • 情報

     2022年2月現在、RoHS指令は改正が検討されており、新たに7物質が規制対象の追加候補として挙げられています。

    候補物質名 制限値
    三酸化アンチモン 未定
    テトラブロモビスフェノールA(TBBPA) 1000ppm (0.1wt%,1000mg/kg,1000μg/g)
    リン化イリジウム 未定
    中鎖塩素化パラフィン(MCCPs) 1000ppm (0.1wt%,1000mg/kg,1000μg/g)
    ベリリウムとその化合物 未定
    硫酸ニッケル及びスルファミン酸ニッケル 未定
    塩化コバルト及び硫酸コバルト 未定
       
     当センターでは繊維製品だけにとどまらず、プラスチック製品、金属製品についても試験を行っています。お客様のご要望に応じたメニューをご提案させて頂きますので、最寄りの事業所・検査所までお問い合わせください。