抗かび性試験(JIS L 1921)

概要

 かびに関する試験の一つである、「抗かび性定量試験法」です。こちらは、一般社団法人繊維評価技術協議会(繊技協)の定める緑マーク(抗かび加工SEKマーク)の認証に必要な試験です。認証後のサーベイランス(定期的な性能確認)試験や、プレテストとしての依頼も可能です。



試験対象品
  • 一般衣料品
  • インテリア製品
JIS L 1921(ISO 13629-1準用)
概要

 下記4種のかびのうち、使用状況に応じ2種類以上のかびを選択し試験します。

  • クロコウジカビ Aspergillus niger NBRC 105649
  • アオカビ Penicillium citrinum NBRC 6352
  • クロカビ Cladosporium cladosporioides NBRC 6348
  • 白癬菌 Trichophyton mentagrophytes NBRC 32409

 耐久性確認のため、品目別定められた洗濯処理後(3回、5回、10回)の試験も必要です。

試験方法
  1. ポテトデキストロースアガーで十分に発育させた試験かびの胞子を採取した後、胞子数が1〜3×105個/mLとなるように試験胞子液を調製します(規定の1/20濃度サブローデキストロースブロス中に胞子を分散)。
  2. 抗かび加工試料および綿標準布をバイアル瓶中に0.2gサンプリングし、オートクレープ滅菌した後、0.2mLの試験胞子液を接種します。
  3. 試験胞子液接種直後と25℃、42時間培養後の試験片から、かび細胞中に含まれるアデノシン三リン酸(ATP)の抽出処理を行った後、発光測定法によりこれを定量します。
  4. 式から抗かび活性値(Aaを算出し、抗かび性を評価します。
    Aa=(logCt−logCo)−(logTt−logTo)
     logCo:綿標準布接種直後のATP mol量の常用対数値
     logCt:綿標準布42時間培養後のATP mol量の常用対数値
     logTo:抗かび加工布接種直後のATP mol量の常用対数値
     logTt:抗かび加工布42時間培養後のATP mol量の常用対数値
試験結果の見方
基準名 アイテム 基準値
SEKマーク繊維製品認証基準 一般衣料品 抗かび活性値:2.0以上
インテリア製品等 抗かび活性値:3.0以上