光触媒を含む抗ウイルス加工材料の抗ウイルス性を、実使用環境に近い条件で評価します。ここでは「JIS R 1756 ファインセラミックス – 可視光応答形光触媒材料の抗ウイルス性試験方法 – バクテリオファージQβを用いる方法」を紹介します。
試料の種類によって2種類の方法を使い分けます。
試験方法 | 試料の種類 | 試料の形状 |
---|---|---|
フィルム密着法 | 光触媒抗ウイルス加工を施した平板状材料 | 平板状、厚さ10mm以内 |
ガラス密着法 | 光触媒抗ウイルス加工を施した繊維状材料 | ガラスで密着できる厚さ(厚すぎる場合試験不可) |
ウイルス:両方法ともバクテリオファージQβを用います。
可視光照射条件
シャープカットフィルターA(400nm以下をカット)またはB(380nm以下をカット)を装着し、500±25 lx(または100±5 lx~3000±150 lxに変更可)で照射します。
可視光放射条件F-Lで光照射した光触媒抗ウイルス加工材料による抗ウイルス活性値(VF-L)
VF-L=log(BF-L/A)-log(CF-L/A)=log(BF-L/CF-L)
F:シャープカットフィルターの種類(A又はB)
L:可視光放射照度(lx)
A:無加工試験片の接種直後の3個の試験片の感染価の平均値(pfu)
BF-L:無加工試験片を可視光放射条件F-Lで光照射した後の3個の試験片の感染価の平均値(pfu)
CF-L:可視光形光触媒抗ウイルス加工した試験片を可視光放射条件F-Lで光照射した後の3個の試験片の感染価の平均値(pfu)
光触媒抗ウイルス加工材料の光照射による抗ウイルス活性値(ΔV)
ΔV=log(BF-L/CF-L)-[log(BD/A)-log(CD/A)]=log(BF-L/CF-L)-log(BD/CD)
BD:無加工試験片を暗所に保存した後の3個の試験片の感染価の平均値(pfu)
CD:可視光形光触媒抗ウイルス加工した試験片を暗所に保存した後の3個の試験片の感染価の平均値(pfu)
注)pfu(Plaque Forming Unit):一定容量当たりのプラークを形成できるウイルス粒子の数を表す単位
JIS R 1756による試験結果の基準値は下表の通りです。
規格 | 基準値 |
---|---|
光触媒工業会 (PIAJ製品認証マーク) |
VF-L≧2.0 ⊿V≧0.3 |
可視光放射条件F-Lで光照射した光触媒抗ウイルス加工材料による抗ウイルス活性値(VF-L)
VF-L=log(BF-L/A)-log(CF-L/A)=log(BF-L/CF-L)
F:シャープカットフィルターの種類(A又はB)
L:可視光放射照度(lx)
A:無加工試験片の接種直後の3個の試験片の感染価の平均値(pfu)
BF-L:無加工試験片を可視光放射条件F-Lで光照射した後の3個の試験片の感染価の平均値(pfu)
CF-L:可視光形光触媒抗ウイルス加工した試験片を可視光放射条件F-Lで光照射した後の3個の試験片の感染価の平均値(pfu)
光触媒抗ウイルス加工材料の光照射による抗ウイルス活性値(ΔV)
ΔV=log(BF-L/CF-L)-[log(BD/A)-log(CD/A)]=log(BF-L/CF-L)-log(BD/CD)
BD:無加工試験片を暗所に保存した後の3個の試験片の感染価の平均値(pfu)
CD:可視光形光触媒抗ウイルス加工した試験片を暗所に保存した後の3個の試験片の感染価の平均値(pfu)
注)pfu(Plaque Forming Unit):一定容量当たりのプラークを形成できるウイルス粒子の数を表す単位
JIS R 1756による試験結果の基準値は下表の通りです。
規格 | 基準値 |
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光触媒工業会 (PIAJ製品認証マーク) |
VF-L≧2.0 ⊿V≧0.3 |
光触媒って?
光触媒は、光を吸収して活性化し、有機物を分解するなどの機能を持った材料です。基材に光触媒材料を担持・塗布することで、大気・水質浄化、脱臭、防汚、抗菌防臭、抗ウイルスなどの効果を発揮します。