SEKマーク制度の抗菌性・抗ウイルス性・抗かび性・消臭性・防汚性・紫外線遮蔽性試験

概要

  一般社団法人繊維評価技術協議会 は、繊維製品に対する認証事業(SEKマーク制度)を行っており、「SEKマーク繊維製品認証基準」などを制定しています。「SEKマーク繊維製品認証基準」では、次の機能加工の認証があります(2024年10月現在)。


 


※:国内販売のみに使用可能なSEKマーク
 

 当センターは、SEKマーク制度における指定検査機関として登録されており、認証に必要なデータやサーベイランスにおけるデータを試験報告書として発行しております。
 SEKマーク制度における各種機能性試験では、洗濯可能な繊維製品は規定回数の洗濯処理後に評価されています。


試験対象品
  • 生地
  • 繊維製品
抗菌性試験
試験方法
 抗菌性試験(抗菌防臭加工&制菌加工)
 
   
抗菌防臭   一般用途   特定用途
 

JIS L 1902 菌液吸収法による方法で試験を実施します。

  • 試料:抗菌加工布0.40±0.05gを1菌種毎に6枚
  • 対照試料:標準布(前処理したJIS L 0803規定の綿布)0.40±0.05gを1菌種毎に6枚
  • 試験菌種
    【抗菌防臭加工】黄色ぶどう球菌
    【制菌加工・一般用途】黄色ぶどう球菌および肺炎かん菌
    【制菌加工・特定用途】黄色ぶどう球菌、肺炎かん菌およびMRSA
    (オプション菌)大腸菌、緑膿菌、モラクセラ菌
  • 基準値
    【抗菌防臭加工】抗菌活性値≧2.2
    【制菌加工・一般用途】抗菌活性値≧標準布の増減値(F
    【制菌加工・特定用途】抗菌活性値>標準布の増減値(F
 

概要

  1. 抗菌加工布および標準布6枚に菌液を接種します。
  2. その内3枚は接種直後の菌を洗い出し、生菌数を測定します。
  3. 残りの3枚は37℃で18時間培養します。
  4. 18時間培養後の菌を洗い出し、生菌数を測定します。
  5. 抗菌活性値を算出します。
 

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 光触媒抗菌性試験
 

 

JIS R 1702 ガラス密着法による方法で試験を実施します。

  • 試料:光触媒抗菌加工布50±2mm角を1菌種毎に6枚
  • 対照試料:未加工布又は標準布(前処理したJIS L 0803規定の綿布)50±2mm角を1菌種毎に9枚
  • 試験菌種:黄色ぶどう球菌および肺炎かん菌
  • 基準値:抗菌活性値≧2.0、かつ 紫外線放射効果≧1.0
 

概要

  1. 光触媒抗菌加工布6枚および、未加工布(又は標準布)9枚に菌液を接種します。
  2. その内の未加工布(又は標準布)3枚は、接種直後の菌液を洗い出し、生菌数を測定します。
  3. 残りの未加工布(又は標準布)3枚および、光触媒抗菌加工布3枚は、暗所で25℃で8時間保存します。
  4. 残りの未加工布(又は標準布)3枚および、光触媒抗菌加工布3枚は、所定の紫外放射下で25℃、8時間照射します。
  5. 8時間培養後の菌を洗い出し、生菌数を測定します。
  6. 抗菌活性値および紫外線放射効果を算出します。
 

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抗ウイルス性試験
試験方法
 
 

JIS L 1922 プラーク測定法による方法で試験を実施します。

  • 試料(抗ウイルス加工布):20×20mmで0.40±0.05gまで重ねたものを1ウイルス種毎に6枚
  • 対照試料(標準布):20×20mmで0.40±0.05gまで重ねたもの綿布を1ウイルス種毎に9枚
  • 試験ウイルス種:A型インフルエンザウイルス、ネコカリシウイルス
  • 基準値
    【Excellent effectマーク】抗ウイルス活性値≧3.0
    【Good effectマーク】抗ウイルス活性値≧2.0
 

概要

  1. 抗ウイルス加工布3枚および標準布6枚に、ウイルス懸濁液を接種します。
  2. 標準布6枚のうち3枚は接種直後に洗い出します。
  3. 抗ウイルス加工布3枚および標準布3枚は、25℃で2時間静置します。
  4. 2時間静置後に洗い出し、プラーク法によりウイルス感染価を測定します。
  5. 残りのウイルス加工布3枚および標準布3枚を用いて対照試験を行います。
  6. 抗ウイルス活性値を算出します。
 

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補足

 2024年10月1日、「SEKマーク繊維製品認証基準」が改訂され、抗ウイルス加工に新たなマークの種類ができました。

マークの種類 抗ウイルス加工(黄) 抗ウイルス加工(緑)
製品区分 Excellent effect Good effect
評価基準 抗ウイルス活性値 Mv≧3.0 抗ウイルス活性値 Mv≧2.0
付記用語 繊維上の特定のウイルスの数を99.9%減少させます。 繊維上の特定のウイルスの数を99%減少させます。
SEKマーク

抗かび性試験
試験方法
 

JIS L 1921 吸収法による方法で試験を実施します。

  • 試料:抗かび加工布0.20±0.03gを6枚
  • 対照試料:標準布(前処理したJIS L 0803規定の綿布)0.20±0.03gを6枚
  • 試験かび種:クロコウジカビ、アオカビ、クロカビ、白癬菌の内、2種類以上
  • 基準値
    【インテリア製品、雑貨品(マット類、傘など)】抗かび活性値≧3.0
    【衣料品、寝装品など】抗かび活性値≧2.0
 

概要

  1. 抗かび加工布6枚および、標準布6枚にかび胞子混濁液を接種します。
  2. その内の抗かび加工布3枚および、標準布3枚は、接種直後にATP抽出処理を行います。
  3. 残りの抗かび加工布3枚および、標準布3枚は、25℃で42時間培養します。
  4. 42時間培養後、抗かび加工布3枚および、標準布3枚は、ATP抽出処理を行います。
  5. ATP抽出処理後に発光測定法により発光量を測定し、ATP量を算出します。
  6. 抗かび活性値を算出します。
 

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消臭性試験
試験方法
 消臭性試験
 
 
    (国内専用)
 

消臭加工繊維製品認証基準で定める方法(繊技協)により試験を実施します。

  • 試料:消臭加工布を1ガス成分毎に約300mm角
  • 臭気カテゴリー
    【汗臭】アンモニア、酢酸およびイソ吉草酸
    【加齢臭】アンモニア、酢酸、イソ吉草酸およびノネナール
    【排泄臭】アンモニア、酢酸、メチルメルカプタン、硫化水素およびインドール
    【タバコ臭】アンモニア、酢酸、硫化水素、アセトアルデヒドおよびピリジン
    【生ごみ臭】アンモニア、メチルメルカプタン、硫化水素およびトリメチルアミン
    【アンモニア臭】アンモニア
  • 基準値
    【アンモニア】80%以上(機器単独)又は、70%以上(官能併用)
    【酢酸】70%以上(機器単独)
    【メチルメルカプタン】70%以上(官能併用)
    【硫化水素】70%以上(官能併用)
    【アセトアルデヒド】70%以上(官能併用)
    【ピリジン】70%以上(官能併用)
    【トリメチルアミン】70%以上(官能併用)
    【イソ吉草酸】95%以上(機器単独)又は、85%以上(官能併用)
    【ノネナール】90%以上(機器単独)又は、75%以上(官能併用)
    【インドール】70%以上(官能併用)
 

概要

  1. アンモニア、酢酸、メチルメルカプタン、硫化水素、アセトアルデヒド、ピリジン、トリメチルアミンは、機器分析(検知管法)にて臭気成分減少率を算出します。
  2. イソ吉草酸、ノネナール、インドールは、機器分析(ガスクロマトグラフ法)にて臭気成分減少率を算出します。
  3. 必要に応じて対象ガス成分の官能試験を実施します。
 

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 光触媒消臭性試験
 

 

消臭加工繊維製品認証基準で定める方法(繊技協)により試験を実施します。

  • 試料:光触媒消臭加工布を1ガス成分毎に約300mm角
  • 対象臭気成分:アンモニア、アセトアルデヒド
  • 基準値
    1. 第1回暴露試験
      臭気成分減少率が明条件で70%以上又は、暗条件で70%以上、かつ光触媒効果20以上
    2. 第2回暴露試験
      第1回暴露試験で臭気成分減少率が明条件で70%以上又は、暗条件で70%以上で、光触媒効果20未満での場合、第2回暴露試験で光触媒効果が20以上
 

概要

  1. サンプリングバッグに試料および対象ガス成分を入れます。
  2. サンプリングバッグに紫外線照射をし(明条件)、同時に暗所に静置する(暗条件)ものも行います。
  3. 明条件と暗条件における臭気成分減少率および光触媒効果を算出します。
 

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防汚性試験
試験方法
 
    (国内専用)
 
防汚性

JIS L 1919による方法で試験を実施します。

  • 試料
    【A-1法(泥汚れ等の粗い粉体汚れ)】120×100mm3枚
    【A-2法(埃等の細かい粉体汚れ)】100×100mm3枚
    【B法(親水性汚れ)】200×200mm3枚
    【C法(親油性汚れ)】100×100mm3枚​​
  • 評価区分:汚れが付きにくい(SG:Soil guard)、汚れが洗濯で落ちやすい(SR:Soil release)
  • 基準値
    SG、SR共に、3.5級以上(絶対評価)、又は3.0級以上かつ未加工布との差が1.0級以上(相対評価)
    (ただし、B法(親水性汚れ)のSR単独のSEKマークは付与できない)
 

概要

  1. A-1法は、密閉形円筒容器内にピリング試験のゴム管に巻き付けた試料と粉体汚染物質を入れて、ピリングボックス内で20分間処理します。
  2. A-2法は、密閉形樹脂製袋内に試料と粉体汚染物質を入れて、ピリングボックス内で20分間処理します。
  3. B法は、はっ水性試験装置で試料に親水性汚染物質をスプレーします。
  4. C法は、試料に汚染物質-2(親油性汚れ)を滴下します。
  5. それぞれの処理を実施後、「汚れにくさ」を評価します。
  6. 「汚れにくさ」を評価後、洗濯を実施し「付いた汚れの落ちやすさ」を評価します。
 

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花粉汚れ

繊技協法による方法で試験を実施します。

  • 評価区分:汚れが付きにくい(SG:Soil guard)、汚れが落ちやすい(SR:Soil release)
  • 基準値:SG3.0級以上、かつSR4.0級以上(絶対評価)
 

概要

  1. 疑似花粉(石松子)を試料に付着します。
  2. 付着後、標準写真にて「付きにくさ」を目視判定します。
  3. 「付きにくさ」の判定後の試料を所定の落下処理をし、標準写真にて「落ちやすさ」を目視判定します。
 

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食品汚れ

繊技協法による方法で試験を実施します。

  • 食品汚れの種類
    【必須】カレー、ミートソース、ラー油
    【選択】ソース、醤油、ワイン、コーヒー
  • 評価区分:汚れが洗濯で落ちやすい(SR:Soil release)
  • 基準値:SR4.0級以上(絶対評価)
 

概要

  1. 試料に食品汚れを付着し、一定時間放置します。
  2. 汚れ付着後、洗濯を実施します。
  3. 乾燥後、JIS L 0805汚染用グレースケールにて判定します。
 
紫外線遮蔽性試験
試験方法
 

JIS L 1925による方法で試験を実施します。

  • 試料:約50×50mmをたて方向、よこ方向に2枚以上
  • 対象試料
    【紫外線遮蔽率】糸、ファスナーテープ部、中わた、和服(帯を含む)以外の繊維製品
    【UPF格付け値】衣料品、雑貨品(タオル、帽子、マフラー、テントなど)
  • 基準値
    【紫外線遮蔽率】98%以上(対象製品に異なる加工生地を複数使用している場合は90%以上)
    【UPF格付け値】UPF50+(対象製品に異なる加工生地を複数使用している場合はUPF15以上)
 

概要

  1. 分光光度計にて290~400nmの波長で、紫外線に対する透過率を測定します。
  2. 紫外線透過率から紫外線遮蔽率を算出します。
  3. UPF格付け値は、紫外線透過率や太陽光分光放射照度の相対エネルギーなどの値より算出します。
 

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