「耐光堅ろう度試験」とは、光の作用による色の変化の程度(変退色)を評価するための試験です。光には、色褪せを引き起こす作用があります。引っ越しなどで、タンスを動かした後の畳の色を見て「元はこんな色だったのか」と驚いた経験はありませんか?これはいわゆる日焼けです。
天気や季節により明るさ、まぶしさが異なるなど、太陽光では光の条件を一定に保てません。そのため、人工的な光源を使用して光の作用の程度を一定に保ち試験を行っています。
主に紫外線を照射する紫外線カーボンアーク灯光(JIS L 0842)と、太陽光に近い光を照射するキセノンアーク灯光(JIS L 0843)の2種類があります。日本国内は紫外線カーボンアーク灯光が主流で、海外はキセノンアーク灯光が主流です。
紫外線カーボンアーク灯光を用いた 耐光試験機 |
キセノンアーク灯光を用いた 耐光試験機 |
ブルースケールは耐光堅ろう度試験において、標準退色を確認するための標準物です。耐光堅ろう度試験には試験方法が5種類ありますが、一般的には第3露光法が用いられます。
第3露光法では、試験片とブルースケールの面積の半分を不透明覆いで覆い、光を照射します。時々ブルースケールの覆いを開き標準退色しているかを確認します。標準退色とは、光をあてた照射部分と未照射部分の色の差が、変退色用グレースケールの4号に相当する状態です。ブルースケールは1級から8級まであり、数値が大きいほど光に対する抵抗性が強く、標準退色するのに必要な時間が長くなります。使用頻度の高いのは3級と4級のブルースケールです。
ブルースケールが標準退色になった時に、同時に照射していた試験片を取り出し、2時間以上暗所に放置します。その後、ブルースケールと試験片を並べて判定を行います。
【例】
ブルースケール3級を照射した場合
試験項目 | 試験結果 | |
---|---|---|
耐光堅ろう度 | 変退色 | 4級以上 |
一般的な目安値は次の通りです。
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