洗濯堅ろう度試験(JIS L 0844)

概要

「洗濯堅ろう度試験」とは、家庭での洗濯の作用による「色の変化の程度(変退色)」と「他の洗濯物への色移りの程度(汚染)」を評価する試験です。

 衣料品には、様々な色に染められたものがありますが、これらは通常、”染料”によって色をつけています。染料には染色条件(色をつけるための条件…例:80℃で30分染液に浸ける)がありますが、この条件の調節がうまくいかなかった場合には染まりが悪くなることがあります。ムラに染まったり、想像よりも濃い色・淡い色に染まったりするかもしれません。そして、染まりが悪いと衣料品が濡れた時に色が出てくる危険があります。

 洗濯することにより「何だか色あせたような気がする」とか、「ムラになってしまった」といった経験はありませんか?これらは、洗濯することにより衣料品に染まっている染料が衣料品から洗濯液に出てきてしまうからです。


目的

 衣料品についていた染料が洗濯して少なくなってしまえば当然色あせたように見えますし(例1)、赤色と青色の染料を合わせて紫色に染めた場合、赤色の染料が出て行ってしまうと青色が強くなり青色っぽく見えることがあります(例2)。また衣料品から洗濯液に出て行った染料が洗濯の際に一緒に洗った他の洗濯物にくっついてしまい、色移り(汚染)してしまう危険もあります(例3)。そんな危険を事前に察知できるのが、「洗濯堅ろう度試験」です。

例1

例2

例3


試験方法
A-2法
試験方法

いくつかあるJIS L 0844 の試験条件のうち、一般的なものです。

  • 洗濯液:0.5%せっけん液
  • 洗濯温度:50℃
  • 洗濯時間:30分

 家庭で使用されている洗濯機を使用するわけではなく、専用の試験機器を使用します。この試験機器には、洗濯をしている間、設定した洗濯温度を維持できる加熱装置がついています。これにより、夏冬問わず同じ条件で試験が可能です。
 指定の時間試験機を運転後、複合試験片(試料に綿や絹、ナイロンなどの白布を縫い付けたもの)を取り出してすすぎます。乾燥させた後、「判定」をすることにより堅ろう度の数値を決めます。

試験瓶

洗濯堅ろう度試験機(運転中)

試験結果例
試験項目 試験結果

洗濯堅ろう度(級)

      変退色      4      

      汚染   3-4      

試験結果の見方

一般的な目安値

変退色 4級以上

汚染  3級以上