「洗濯堅ろう度試験」とは、家庭での洗濯の作用による「色の変化の程度(変退色)」と「他の洗濯物への色移りの程度(汚染)」を評価する試験です。
衣料品には、様々な色に染められたものがありますが、これらは通常、”染料”によって色をつけています。染料には染色条件(色をつけるための条件…例:80℃で30分染液に浸ける)がありますが、この条件の調節がうまくいかなかった場合には染まりが悪くなることがあります。ムラに染まったり、想像よりも濃い色・淡い色に染まったりするかもしれません。そして、染まりが悪いと衣料品が濡れた時に色が出てくる危険があります。
洗濯することにより「何だか色あせたような気がする」とか、「ムラになってしまった」といった経験はありませんか?これらは、洗濯することにより衣料品に染まっている染料が衣料品から洗濯液に出てきてしまうからです。
衣料品についていた染料が洗濯して少なくなってしまえば当然色あせたように見えますし(例1)、赤色と青色の染料を合わせて紫色に染めた場合、赤色の染料が出て行ってしまうと青色が強くなり青色っぽく見えることがあります(例2)。また衣料品から洗濯液に出て行った染料が洗濯の際に一緒に洗った他の洗濯物にくっついてしまい、色移り(汚染)してしまう危険もあります(例3)。そんな危険を事前に察知できるのが、「洗濯堅ろう度試験」です。
(例1) | (例2) | (例3) |
家庭用洗濯機を使用せず、試験専用の洗濯試験機を使用します。試験条件は次の通りです。
【試験操作】
第1添付白布 | 第2添付白布 |
---|---|
綿 | 毛 |
毛 | 綿 |
絹 | 綿 |
レーヨン | 毛 |
アセテート | レーヨン又は綿 |
ナイロン | 毛又は綿 |
ポリエステル | 毛又は綿 |
アクリル | 毛又は綿 |
JIS L 0844:2011 表4より(表は当センターで作成)
ステンレス洗濯瓶 | 洗濯試験機(運転中) |
試験項目 | 試験結果 | |
---|---|---|
洗濯堅ろう度 | 変退色 | 4級 |
汚染 | 3-4級 |
一般的な目安値は次の通りです。
JISで決められている第1添付白布は、混用率の最も多い繊維となっていますが、業界では第1および第2添付白布は、「綿・絹」または「綿・ナイロン」の組み合わせを用いることが多いです。
また一般的にA-2号を用いる場合は、毛・絹・アセテートを含まない試験片で試験することが多いです。
ご依頼時に必要な試料サイズは こちら
家庭用洗濯機を使用せず、試験専用の洗濯試験機を使用します。試験条件は次の通りです。
【試験操作】
第1添付白布 | 第2添付白布 |
---|---|
綿 | 毛 |
毛 | 綿 |
絹 | 綿 |
レーヨン | 毛 |
アセテート | レーヨン又は綿 |
ナイロン | 毛又は綿 |
ポリエステル | 毛又は綿 |
アクリル | 毛又は綿 |
JIS L 0844:2011 表4より(表は当センターで作成)
ステンレス洗濯瓶 | 洗濯試験機(運転中) |
試験項目 | 試験結果 | |
---|---|---|
洗濯堅ろう度 | 変退色 | 4級 |
汚染 | 4級 |
一般的な目安値は次の通りです。
JISで決められている第1添付白布は、混用率の最も多い繊維となっていますが、業界では第1および第2添付白布は、「綿・絹」または「綿・ナイロン」の組み合わせを用いることが多いです。
また一般的にA-1号を用いる場合は、毛・絹・アセテートを含む試験片で試験することが多いです。
ご依頼時に必要な試料サイズは こちら