昇華堅ろう度試験(JIS L 0854)

概要

 「昇華堅ろう度」とは、染料の昇華現象によって色の変化や色移りを評価する試験です。昇華とは固体が気体になる現象で、分散染料などは熱によって昇華現象を引き起こすことがあります。


目的

 昇華現象を引き起こす分散染料は、主にポリエステルやアセテートなどに使用され、特に問題とされているのが移染(色移り)です。そのためこれらの素材を使用している製品は、昇華現象による移染が発生しないか、昇華堅ろう度により評価しています。


試験対象品
  • ポリエステル混素材
  • アセテート混素材
試験方法
  1. 試料に2種類の添付白布(第2添付白布はポリエステル)を取り付けて「複合試験片」を作ります。
  2. 複合試験片とをステンレス鋼板をサンドイッチのように交互に挟み込んで荷重を加え「汗試験機」に取り付けます。
  3. 汗試験機を温度120度で80分間、乾燥機に入れます。
  4. 加熱終了後、直ちに複合試験片を乾燥機から取り出し、複合試験片と添付白布を接触させないように放冷します。
  5. 試験片の変退色と汚染を「判定」し、堅ろう度の数値を決めます。

昇華堅牢度

試験結果例
試験項目 試験結果 試験方法

昇華堅ろう度

変退色 4-5級

JIS L 0854

汚染 4級
試験結果の見方

一般的な目安値

変退色 4級以上

汚染  4級以上

コラム

 昇華堅ろう度は、一昔前は「貯蔵中昇華堅ろう度」と呼ばれていました。商品を保管している倉庫やバックヤードでは、夏場熱くなると昇華現象を起こすことから名付けられたそうです。しかし、ポリエステルなどの合成繊維に使用されている分散染料に多く発生していること、貯蔵中以外でも発生すること、米国のAATCC規格にも名称を合わせることで、「貯蔵中」という単語を外したそうです。