「昇華堅ろう度」とは、染料の昇華現象によって色の変化や色移りを評価する試験です。昇華とは固体が気体になる現象で、分散染料などは熱によって昇華現象を引き起こすことがあります。
昇華現象を引き起こす分散染料は、主にポリエステルやアセテートなどに使用され、特に問題とされているのが移染(色移り)です。そのためこれらの素材を使用している製品は、昇華現象による移染が発生しないか、昇華堅ろう度により評価しています。
試験項目 | 試験結果 | |
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昇華堅ろう度 | 変退色 | 4-5級 |
汚染 | 4級 |
一般的な目安値は次の通りです。
昇華堅ろう度は、一昔前は「貯蔵中昇華堅ろう度」と呼ばれていました。商品を保管している倉庫やバックヤードでは、夏場熱くなると昇華現象を起こすことから名付けられたそうです。しかし、ポリエステルなどの合成繊維に使用されている分散染料に多く発生していること、貯蔵中以外でも発生すること、米国のAATCC規格にも名称を合わせることで、「貯蔵中」という単語を外したそうです。