染色堅ろう度の概要と判定(JIS L 0801)

概要

「堅ろう」は、「堅牢」とも書き、丈夫さ(抵抗性)を意味します。染色堅ろう度試験とは、染料などで染色された生地の染色の丈夫さ(抵抗性)、いわゆる「色の変わりにくさ」や「色落ちのしにくさ」を見るものです。染色堅ろう度には、「変退色」と「汚染」があります。


目的

 例えば、Tシャツを洗濯した時に色落ち(変色)しないか等を確認するために、JIS規格、海外規格(ISO、AATCC、GBなど)で試験方法が規定されています。

これらの規格を用い、生地や繊維製品の染色堅ろう度を事前に確認することで、品質保証の一助となっています。


試験方法
染色堅ろう度の用語 意味
変退色

色相、明度及び彩度を総合した色の変化のこと。(変色や退色のこと)

汚染 染料などが添付白布に移行すること。(色移りのこと)

「汚染(色移り)」を確認するために用いる白布をJIS L 0803では「添付白布」と呼びます。

添付白布には、「単一繊維布」と「多繊交織布」があります。

添付白布の種類 意味
単一繊維布

白布がそれぞれの組成100%で構成されており、毛、絹、綿、レーヨン、

キュプラ、アセテート、ナイロン、ポリエステル、アクリルがある。

多繊交織布

8種類(綿・ナイロン・アセテート・毛・レーヨン・アクリル・絹・ポリエステル)の

繊維をたてじま状に交織した白布。


 

綿       絹

単一繊維布(例)

  

多繊交織布




染色堅ろう度の判定

 染色堅ろう度試験を実施した後に、その評価を行うために「判定」を行います。判定には「視感法」と「計器法」があり、ここでは一般的に用いられる「視感法」について説明します。視感法とは目視による判定で、「グレースケール」という基準物を使います。このグレースケールと実際試験した試料を比較し、級数を決定します。5級~1級の9段階評価となり、数値が大きいほど染色に対して堅ろう性が優れていることになります。
 





 

 JIS L 0804:2004より引用

 JIS L 0805:2005より引用

 


 灰色下敷の上に試験前後の試験片または添付白布を隣り合わせで置き、その傍らに変退色(汚染)グレースケールを置いて判定します。常用光源D65(約1200ルクスの照度)で上方から照明し、試験片を45度の角度に置き、試験片に対し90度の角度から判定します。
 


 


 

判定の様子