酸素系漂白剤堅ろう度(JIS L 0889)

概要
 酸素系漂白剤を投入して水洗い洗濯を行う際に、繊維の変色がどの程度発生するかを評価する試験です。
目的

 家庭洗濯等取扱方法で次の漂白の記号があります。

(酸素系漂白剤による漂白処理ができるが、塩素系漂白剤による漂白処理はできない。)


 

 この漂白記号が家庭洗濯等取扱方法として表示可能かどうかを、酸素系漂白剤堅ろう度で確認することが出来ます。


試験対象品
  • 綿素材
  • 麻素材
  • 合成繊維素材
試験方法
  1. 100mm×40mmの試験片を採取します。
  2. 試験液は、水1Lに合成洗剤、過炭酸ナトリウム、漂白活性化剤(TAED)を以下の配合で混合し、25℃でpH8.5±0.3に調整します。
    試験液の組成
    合成洗剤 0.5g/L
    過炭酸ナトリウム 8.2g/L
    漂白活性化剤 1.8g/L
    JIS L 0889:2014 表2より(表は当センターで作成)
     
  3. 洗濯瓶に試験液100mLを入れ60℃に予熱し、その後洗濯瓶に試験片を投入し洗濯試験機にて60℃、30分間操作します。
     
    洗濯瓶   洗濯試験機
  4. 操作後、水洗を2回行い脱液して乾燥させます。
  5. 変退色用グレースケールを用いて、変退色を判定します。
試験結果例
試験項目 試験結果
酸素系漂白剤堅ろう度 変退色 4-5級
試験方法: JIS L 0889
試験結果の見方

一般的な目安値は次の通りです。

  • 変退色:4級以上
コラム

 酸素系漂白剤は黄ばみや黒ずみの漂白作用があり、色物にも使うことができる長所があります。一方、綿製品で縞柄やプリント部分に含金染料が使用されている場合は、染料に含まれる金属が触媒となり酸素系漂白剤から発生する過酸化物が多く発生し、綿素材を脆化させてしまうことがありますのでご注意しましょう。
 

※: 金属錯塩染料のことで、銅、クロム、コバルトなどの金属と結合しています。染色性は酸性染料と似ておりナイロン、毛、絹などに用いられます。