毛玉(ピル)を生じた状態のことをピリングといいます。ピリング試験は「擦れ作用による毛玉のできる度合い」を試験します。
セーターなどにできる毛玉(ピル)は、着用中や洗濯処理時の摩擦作用が原因です。摩擦などの物理的作用を受けて繊維の先端が生地表面に出てきた後、その毛羽が互いに絡まり合い、毛玉(ピル)となるのです。そのピルの発生程度を評価します。
回転箱の内側 |
ピリング試験機 |
ピルが発生した試料の例 |
試験項目 | 試験結果 |
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ピリング | 4.0級 |
等級が大きいほど良い結果を表します。
一般的には3.0級以上が目安です。
アピアランス・リテンション試験機 |
アピアランス・リテンション試験機はARTともいいます。
試験項目 | 試験結果 |
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ピリング | L級 |
C法(アピアランス・リテンション形試験機を用いる方法)のピリング試験は、主にフィラメント糸(長繊維糸)使いの織編物に用いられます。フィラメント糸使いの生地は、紡績糸などの短繊維使いの生地とは異なり、生地表面に毛羽が飛び出しにくい構造です。しかし、スポーツウェアなどのジャージ生地などで毛玉が生じることがあります。
一般的に用いるA法(ICI形試験機を用いる方法)で評価すると結果が良好となる場合があり、C法の用いられている摩擦板による摩擦で毛羽を強制的に発生させ、実際の着用と同じような現象を再現することが出来ます。