目寄れ試験(JIS L 1062)

概要

 「目寄れ試験」とは、織物の目寄れの程度を評価する試験です。目寄れとは、摩擦等によって織糸が本来の組織からずれてしまうことを指し、織り密度の粗い生地に生じやすい現象です。


目的
 目寄れが生じた場合、組織がゆがみ、生地に穴が開いたように見えたり、柄がずれて見えたりします。生地の特性を把握することで、製品デザインに反映することができます。
A法(糸ゆがみ法)
概要
 一般的に目寄れ試験は、JIS L 1062 A法にて評価されます。
試験方法
  1. 生地端の糸を取り除いて、100mm×200mmの試験片をたて方向およびよこ方向に5枚採取します。
  2. 試験片に均一のテンションを与えるために、試験片支持枠に試験片を装着し、テンションスタンドによって22Nの荷重を掛けます。
  3. 均一にテンションが掛かった試験片及び支持枠を織物シフトテスターにセットします。
  4. 試験片を摩擦ゴムドラムの間に挟み込み、所定の荷重を掛けながら摩擦ゴムドラムで2回摩擦します。
  5. さらに摩擦した別の個所で同じ操作を行います。
    (イメージ図)
  6. 支持枠から試験片を取り外し、摩擦により移動した糸の開口距離を測定します。開口距離の途中に糸が残留している場合は、糸の太さ分を引いて結果とします。
試験結果例
試験項目 試験結果
目寄れ たて糸 0.5mm
よこ糸 1.1mm
試験方法: JIS L 1062 A法
荷重 8.9N


注)

  • たて糸の目寄れ・・・生地のよこ方向に摩擦したもの(よこ長の試験片)
  • よこ糸の目寄れ・・・生地のたて方向に摩擦したもの(たて長の試験片)
試験結果の見方

数値が小さいほど、糸がずれにくいことを示します。一般的な目安値は次の通りです。

  • 目寄れ:1.5mm以下
補足

試験時の荷重について

  • 薄地:4.4N
  • 中厚地:8.9N
  • 厚地:17.7N