吸水速乾性

概要

生地が汗や湿気を吸い取っても、生地が濡れたままでは不快感や冷えを感じます。吸水速乾は、汗や湿気を吸い取って(吸水)、すばやく蒸発させる(速乾)機能です。


 

吸水速乾の仕組み

特殊断面繊維や疎水性の繊維と親水性の繊維の組合せによる糸・生地設計をし、毛細管現象の利用により、水を素早く拡散させ蒸発し易い状況を実現しています。


JIS L 1907 滴下法 / バイレック法
概要

滴下法:水を生地に一滴滴下し、水滴が生地に吸収されるまでの時間を測定します。

 

バイレック法:たて・よこ(ウェール・コース)各方向に、細長く切り出した試料を吊して下端を水に浸します。10分後の、毛管現象で水が上昇した距離を測定します。

拡散性残留水分率
概要

水を生地中央に0.3ml滴下し、水分の拡散乾燥にともなう、試験片重量を5分間隔で自動測定します。

 

拡散性残留水分率(%) = ( 任意の時間の水分重量(g) / 測定開始時の水分重量(g) ) × 100

試験結果例

【測定例】拡散性残留水分率


 

試験結果の見方
対照品と比較して、加工品は早く乾燥することがわかります。
ISO 17617-2014 A1法
概要
  • 滴下法により吸水性を確認します。
  • 水を生地中央に0.3ml滴下し、水分の拡散乾燥にともなう、試験片重量を5分間隔で自動測定します。
  • 乾燥した重さの割合LT(%) = ( 任意の時間で乾燥した水分重量(g) / 測定開始時の水分重量(g) ) × 100
  • 各時間の測定値LTより、水分が乾燥していく過程の近似式( y = ax + b )を求めます。
    なお、近似式を求める際にはLT : 90 % まで、t : 60 分までの値を使用します。
  • 求めた近似式から
    任意の乾燥割合(100%など)の乾燥時間「drying time(100%)」  
    水分が乾燥する速度の指標「drying rate」 などを得ます。
試験結果例

得られた近似式(y = 3.23x - 0.23 )から以下の結果を得ます。

 ・drying time(100%) 31分  ・・・(近似式で y = 100 のときのx)

 ・drying rate [DR] 3.23    ・・・(近似式の傾き)


 

試験結果の見方

drying time は、数値が小さいほど、早く乾燥することを指します。

drying rate は、数値が大きいほど早く乾燥することを指します。

GB/T21655.2-2009
概要

 試料を同心円状に配置されたセンサー(電極)ではさみ、上部センサーの中心から試験液が試料の肌面へ供給されます。試料における試験液の移動状況(水滴下面での拡散、水滴下面から透水面への移動、透水面での拡散)をモニタリングします。
 

試験結果の見方

【等級区分】GB/T21655.2-2009

項目 1級 2級 3級 4級 5級
湿潤時間(秒) >120.0 20.1~120.0 6.1~20.0 3.1~6.0 ≦3.0
吸水速度(% / 秒) 0~10.0 10.1~30.0 30.1~50.0 50.1~100.0 >100.0
最大湿潤半径(mm) 0~7.0 7.1~12.0 12.1~17.0 17.1~22.0 >22.0
拡散速度(mm / 秒) 0~1.0 1.1~2.0 2.1~3.0 3.1~4.0 >4.0
一方向浸透指数 <-50.0 -50.0~100.0 100.1~200.0 200.1~300.0 >300.0
総合モイスチャーマネジメント指数 0~0.20 0.21~0.40 0.41~0.60 0.61~0.80 0.81~1.00


 

【吸水速乾性基準】GB/T21655.2-2009

性能 項目 基準

吸水性

湿潤時間(水滴下面、透水面) ≧3級
吸水速度(水滴下面、透水面) ≧3級

速乾性

最大湿潤半径(透水面) ≧3級
拡散速度(透水面) ≧3級
一方向浸透指数 ≧3級
蒸散性 一方向浸透指数 ≧3級

総合速乾性

一方向浸透指数 ≧3級
総合モイスチャーマネジメント指数 ≧2級