遮熱性試験(JIS L 1951)

概要

 地球温暖化や昨今の電力需給ギャップによる節電要請から、遮熱性素材に注目が集まっています。
当センターでは以前より遮熱性素材の評価方法として、レフランプを用いた方法をおこなっており、この方法は「熱線遮蔽性の測定方法」として特許に登録されています。

 当センターではこの方法をブラッシュアップし、日傘や遮熱カーテンの評価方法を考案しました。これらは技術的妥当性が認められ各業界団体の試験方法として採用されています。
 

 更に、赤外域の波長分布を持つレフランプに代えて、自然太陽光と近似の波長分布を有する人工太陽照明灯を導入した遮熱性試験も開発しました。そして、2019年にJIS L 1951として採用されることになりました。


目的
太陽光などから発生する放射熱を生地が遮ることによって、温度上昇を抑制する性能を評価します。
試験対象品
  • カーテン
  • 日傘
  • 帽子
  • 作業服
JIS L 1951
試験方法

 光源は人工太陽光源を用います。

 試料背面に熱線受光体を非接触で配置し、試料を透過した日射の熱(放射熱)を熱線受光体に吸収させます。光を照射して30分後の試料を装着した熱線受光体と、裸の熱線受光体(ブランク)の上昇温度をそれぞれ測定し、遮熱率と区分記号を求めます。


 
遮熱性試験機 試験装置の詳細


遮熱率S=[(ΔTb-ΔTs)/ΔTb]×100

ΔTs:試料の平均上昇温度(℃)

ΔTb:ブランクの平均上昇温度(℃)

区分記号 遮熱率(%)
S65+ 65%以上
S55 55%以上65%未満
S45 45%以上55%未満
S35 35%以上45%未満
S25 25%以上35%未満
S15 15%以上25%未満
S15- 15%未満

JIS L 1951:2019 表1より(表は当センター作成)

試験結果例
試験項目 試験結果
遮熱生地A 遮熱生地B 遮熱生地C
遮熱率(%) 30 37 36
区分記号 S25 S35 S35


 

試料Dはブランク

試験結果の見方

 遮熱率の数値が大きいほうが、遮熱効果が高いことを表します(サーモカメラ画像では、温度が低いほうが、遮熱性が大きいことを表します)。

レフランプ法
試験方法

 光源にレフランプを用います。

 試料背面に熱線受光体を非接触で配置し、試料を透過した日射の熱(放射熱)を熱線受光体に吸収させます。任意の時間、光を照射して試料を装着した熱線受光体と、対照品(未加工品)の熱線受光体の上昇温度をそれぞれ測定します。

 熱線受光体の温度測定方法は、サーモカメラによる方法と、熱電対温度センサーによる方法があります。

サーモカメラ 熱電追温度センサー
試験結果例

試験結果の見方
 温度が低いほうが、遮熱性が大きいことを表します。
補足

【評価方法を採用いただいている団体】

一般社団法人日本インテリア協会(Nippon Interior Association = NIF)(旧日本インテリアファブリックス協会)
日本洋傘振興協議会(Japan Umbrella Promotion Association = JUPA)


 

インテリアを考える日