吸放湿性試験

概要

 吸放湿性とは、空気中の水蒸気を収着したり、放出したりする特性のことです。例えば、吸放湿性が優れている生地では、衣服内の湿度をコントロールできるため、快適に過ごすことができます。


CTC+(短期吸放湿性試験)
概要

 当センターが開発した試験装置CTC+は、Custom Test Chamber Plusの略で、幅広い温度・湿度の領域環境を安定的で高精度に測定できる装置です。このため、私たちの生活環境に即した試験条件に設定した温湿度環境下で、水分含有量を経時測定することが可能です。

 

CTC+の仕様

  1. 温湿度制御可能範囲
    • 温度:-10℃~80℃
    • 湿度:5%RH~95%RH
  2. 天秤分解能:0.1mg
  3. 最大秤量:220g
    一定時間に任意の湿度変化を持たせる傾斜制御機能を搭載

(特許:第5944612号)

対象製品
  • 衣料品
  • 壁紙
  • 食品用フィルム
試験結果例

測定例1(布の湿度変化サイクル)


 32℃で40%RHと90%RHの短期間における、吸放湿特性と繰り返し応答性が得られます。

 吸湿量・放湿量ともに大きい数値の方が、着用時における吸放湿特性に優れているといえます。
 

測定例2(不織布の透湿性測定)


 不織布の透湿性能を評価するため、60℃で10%RH、40%RH、70%RHで比較しました。

 不織布の透湿性能は、10%RH時に比べて、40%RH時は約5倍、70%RH時は約10倍になっていることが確認できます。

吸放湿性(恒温恒湿機使用)
試験方法
  1. 試料を秤量瓶に入れ、初期の質量(絶乾質量)を測定します。
  2. 40℃,90%RH環境下において試料を吸湿させ、一定時間吸湿させた試料の質量を測定します。
  3. 20℃,65%RH環境下において試料を放湿させ、一定時間放湿させた試料の質量を測定します。
  4. 初期の質量と各時間ごとの質量を比較し、吸湿率(%)を算出します。