空気中の水分子が繊維に吸着した際に発生する熱(収着熱と言われる)を利用し、温感を持たせる機能です。
吸湿発熱試験機 |
試験片の片面(測定面)に低湿度(20℃×約40%RH)の空気を供給し続け、測定面の温度を一定にします。この時の温度が初期温度(Tinitial)となります。
供給空気を高湿度(20℃×約90% RH)へ切り替え、その後の測定面の温度変化を経時測定します。
高湿度供給時の測定面の最大温度(Tmax)から初期温度(Tinitial)を引いた値を、最大吸湿発熱温度(ΔTmax)として求めます。
試験項目 | 試験結果 | 試験方法 |
---|---|---|
最大吸湿発熱温度 ΔTmax (℃) |
2.8 | JIS L 1952-1 測定面:裏側 前処理:未処理 |
最大吸湿発熱温度が高い方が、吸湿発熱効果があることになります。
JIS L 1952-1では、吸湿発熱性の効果指標があります。
最大吸湿発熱温度ΔTmax:1.6℃以上
繊維の吸湿発熱性は、吸湿量に比例して大きくなる傾向にあります。吸湿量が少ない疎水性繊維の場合、親水基を導入する改質や後加工をおこなうことで吸湿量を高め、吸湿発熱性が大きくなるようにします。
吸湿発熱性試験は当センターが考案し、ISO 18782(Determination of dynamic hygroscopic heat generation)として登録されています。
JIS L 1952-1(最大吸湿発熱温度測定法)の試験結果と吸湿発熱温度曲線から次の様に算出します。
試験項目 | 試験結果 | 試験方法 |
---|---|---|
最大吸湿発熱温度 ΔTmax (℃) |
3.2 | JIS L 1952-1 測定面:裏側 前処理:未処理 |
半減期 t1/2 (s) |
422 | JIS L 1952-2 測定面:裏側 前処理:未処理 |
熱保持指数 Ihk (℃・s) |
960 |
半減期は,最大吸湿発熱温度が半分になるまでの時間を示します。熱保持指数が大きい方が、吸湿発熱温度を保持する度合いが大きいことを示します。
JIS L 1952-2では、吸湿発熱温度保持性の効果指標があります。
最大吸湿発熱温度ΔTmax:1.6℃以上 且つ、熱保持指数Ihk:300℃・s以上