マスクの圧力損失試験(EN 14683)

概要

 圧力損失はマスク着用時における呼吸のしやすさの指標です。ASTM F2100「医療用フェイスマスクに使用される材料の性能仕様」では、これまでその試験方法としてMIL-M-36954C(現在廃版)が規定されていましたが、2019年の改訂で試験方法がEN 14683に変更となりました。なお、MIL-M-36954CとEN 14683の試験条件は同等ですが、ASTM F2100の基準値が改訂されました。


試験対象品
  • マスク
  • フィルター材
試験方法
EN 14683(Annex C)
試験方法

 21℃、85%RHで調湿したマスクを試料ホルダー(直径25mm)に取り付け、吸引ポンプを調節して流量が8L/minとなるようにします。この時の圧力損失(mmH2O)を差圧計で測定し、測定面積で割返した値(mmH2O/cm2)を最終結果とします。


試験結果の見方
 日本国内において明確な基準値はありません。米国 ASTM F2100(医療用フェイスマスクに使用される材料の性能仕様)において下表の基準があります。

試験方法(ASTM F 2100-19)

性能区分
レベル1 レベル2 レベル3
細菌ろ過効率(BFE%)ASTM F2101 ≧ 95 ≧ 98 ≧ 98
圧力損失(mmH2O/cm2)EN 14683 < 5.0 < 6.0 < 6.0
微粒子ろ過効率(PFE%@0.1μm)ASTM F2299 ≧ 95 ≧ 98 ≧ 98
人工血液の耐浸透性(mmHg)ASTM F1862( ≒ ISO 22609) 80 120 160
燃焼性 16 CFR Part 1610 クラス1 クラス1 クラス1

試験方法(ASTM F 2100-11(旧版)) 性能区分
レベル1 レベル2 レベル3
細菌ろ過効率(BFE%)ASTM F2101 ≧ 95 ≧ 98 ≧ 98
圧力損失(mmH2O/cm2)MIL-M-36954C < 4.0 < 5.0 < 5.0
微粒子ろ過効率(PFE%@0.1μm)ASTM F2299 ≧ 95 ≧ 98 ≧ 98
人工血液の耐浸透性(mmHg)ASTM F1862( ≒ ISO 22609) 80 120 160
燃焼性 16 CFR Part 1610 クラス1 クラス1 クラス1
コラム
 バクテリア飛沫捕集(ろ過)効率(BFE)、微粒子捕集(ろ過)効率(PFE)の数値が高い場合、マスク装着時の呼吸がしにくいものがあります。そのためにもBFEやPFE試験と同時に圧力損失試験も実施し、呼吸がしやすいのかどうかを評価することをお勧めします。