「遊離ホルムアルデヒド試験」とは、「液相抽出により抽出されるホルムアルデヒドの量」つまり「ホルムアルデヒドが遊離する度合い」を評価する試験です。
ホルムアルデヒドには、防腐作用・殺菌作用などがあり、衣料品関連でも樹脂加工などの際に使用される便利な物質です。しかし、人体への影響があるため日本では法規制(有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律施行規則(昭和49年厚生省令第34号))によりその使用を制限しています。使用の制限については、下記の2区分に分けられています。
試験方法は、厚生省令第34号やJIS L 1041によって実施されます。
遊離ホルムアルデヒド試験は「ホルマリン試験」とも呼ばれます。ホルマリンはホルムアルデヒドの水溶液の別名です。
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例①(乳幼児用)
「遊離ホルムアルデヒド試験(A-A0): 0.05」
例②(その他(乳幼児用以外))
「遊離ホルムアルデヒド試験(μg/g):20以下」
「遊離ホルムアルデヒド試験(ppm):75」
①「A-A0」の結果(吸光度差)
分光光度計による測定値(吸光度)の差で結果を表しています。
「A」・・・試料の吸光度
「A0」・・・ブランク(空試験)の吸光度
”A”は、absorbance(吸光度)の頭文字です。
②単位「μg/g」または「ppm」の結果(濃度)
予め作成した吸光度値と濃度の関係を求める計算式により、測定した吸光度から濃度を求めます。ppm は parts per millionの略で百万分率です。
検出量20μg/g(20ppm)以下の場合、ほとんど出ていないことを表すため、「20以下」という書き方をすることがあります。