VOC(揮発性有機化合物)測定

概要

 常温常圧で大気中に容易に揮発する有機化学物質をVOCと呼びます。溶剤、燃料として広く使用されていますが、環境中へ放出されると人体に悪影響を及ぼします。具体的な物質は、トルエン、キシレンなどです。

 当センターはVOC測定のための機材や分析機器を完備しております。VOC測定には、マンションの室内・学校の教室などの室内空気を現場でサンプリングし測定する場合と、建材や内装材自体からの放散量を測定する場合があり、カケンでは後者にのみ対応しております。


JIS A 1901 VOC放散量測定
概要

 建材などから放散する有害物質の測定方法については、JIS A 1901「建築材料の揮発性有機化合物(VOC),ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散測定方法-小形チャンバー法」に規定されています。

対象製品
  • 建材
  • 壁紙
  • カーテン
  • 床敷物
試験方法
  1. 小形チャンバーの内部に建材などの試料をセットし、そこへ清浄な空気を一定速度で流します。
  2. 試料から放散してくるVOCと空気がチャンバー内部で混合され、出口から出てきます。
  3. 混合された空気を捕集剤に捕集し、熱脱着装置に取り付けVOCを脱離させます。
  4. ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)にて定量分析します。


試験結果例
試験開始から空気捕集の開始時点までの時間tにおける単位面積当たりの放散速度qA(μg/㎡・h)等で表されます。
放散速度 qAt×n/L
ρt 経過時間tにおける対象化学物質のチャンバー出口濃度(μg/㎥)
n 換気回数(回/h)
L 試料負荷率(㎡/㎥)
試験結果の見方
数値が小さいほど化学物質が放散されにくく、良い結果を表します。
コラム

●ホルムアルデヒドはVOC?

広義ではVOCに含まれますが、沸点の違いでJIS内では他の揮発性有機化合物と区別しています。

  

●シックハウス問題に関する法律・基準

・2003年7月1日に建築基準法が改正され、建材関係のホルムアルデヒド放散量が規制されました。
カーテン・カーペットは建築基準法規制の対象外ですが、インテリアファブリックス性能評価協議会がVOC放散量の自主基準を制定しています。自主基準は建築基準法に準ずる形で規定されており、基準を満たす製品には統一マークが表示されます。製品購入時の目安となるでしょう。

・当センターはインテリアファブリックス性能評価協議会の指定検査機関です。