①試料が織物の場合、タテ糸とヨコ糸が同じ単一の繊維であれば、その繊維の種類が求める結果になります。 |
例:タテ糸・ヨコ糸ともに綿のみ →「綿 100%」 |
②試料が織物でタテ糸、ヨコ糸にそれぞれ単一の異なる繊維が使用されている場合(交織)は「解じょ法」を用います。 |
例:タテ糸が綿のみ、ヨコ糸がポリエステルのみの場合 タテ糸とヨコ糸をバラバラに解じょして、綿とポリエステルそれぞれの重さを調べて、割合を算出します。 |
③織物のタテ糸・ヨコ糸それぞれの糸に複数の繊維が混ざっている場合(混紡)は、「溶解法」を用います。繊維の種類によって使用する試薬を選定します。 |
例:試料に綿とポリエステルが含まれる場合 ポリエステルは溶解しないが、綿を溶解する試薬を使用します。溶解する前に試料の重さを調べておき、試薬により綿を溶解させた後、残ったポリエステルの重さを調べます。溶解する前の重さから溶解して残った重さを引き算すると、溶解した繊維の重さが計算できます。これらの重さから割合を算出します。繊維は湿気(水分)により重さが変わるため、重さを調べる際には乾燥させる必要があります。そのうえで、各繊維に規程の水分量(公定水分率)を加味して結果を算出します。 |
④顕微鏡を使用して繊維の本数を数える「顕微鏡法」もあります。 | これは薬品に対する溶解性が同じ繊維(例えば綿と麻)を区別するために、顕微鏡で繊維の外観を一本ずつ拡大観察して、その本数をもとに計算して割合を求めます。 |
手法の組み合わせ例:タテ糸が綿のみ、ヨコ糸が綿とポリエステルの混紡
→タテ糸とヨコ糸を解じょし、次いでヨコ糸に溶解法を用います。