文字通り繊維を燃焼させます。繊維を炎に近づけたときの状態、炎の中に入れたときの状態、炎から離れたときの状態、燃焼後の臭い、灰の状態を観察します。炎の中で普通に燃える繊維もあれば、溶けながら燃える繊維もあります。
綿や麻は燃焼させると紙が燃える臭いがします。また毛や絹では髪の毛が燃えるような臭いがします。
燃焼試験とは別に「繊維中の塩素の確認試験」があります。
この試験は、銅線をガスバーナで熱した状態のまま、繊維に当てて銅線に付着させます。その後、繊維が付着した銅線を再度ガスバーナで熱したとき、緑色の炎が上がれば繊維中に塩素があることになります。この現象は炎色反応といい、試験方法はバイルシュタイン法と呼ばれています。
バイルシュタイン法で塩素の確認が見られる繊維は、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、モダクリルなどが該当します。
綿の側面 | 毛の側面 | ポリエステルの側面 |
濃硝酸、70%硫酸、20%塩酸などの試薬を用い、繊維に添加した後に繊維の状態(不溶、僅かに溶解、溶解など)を顕微鏡で観察して繊維の種類を同定します。
各種試薬に対する繊維の溶解性の例
繊維名 | 溶剤 | |
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70%硫酸 | 20%塩酸 | |
綿 | 溶解する | 溶解しない |
ポリエステル | 溶解しない | 溶解しない |
ナイロン | 溶解する | 溶解する |
赤外分光光度計 |