消臭性・フェムテック関連製品

概要

 「フェムテック」とは、「Female(女性)」+「Technology(技術)」の造語で、生理や更年期など女性特有の悩みを先進的な技術で解決することを指す、となっています。

 

※出典:内閣府男女共同参画白書 令和6年度版コラム3


 

 「消臭性」は繊維の周りの臭気成分の濃度を低減することにより、においの強さを軽減する機能です。臭気成分を吸着したり、化学反応または分解して臭わない物質にすることなどで臭いを低減させています。

 フェムテックをうたい経血臭やおりもの臭を消臭する製品が市場で販売されていますが、消臭性試験の公定試験方法はありません。当センターでは、各種文献などから経血臭やおりもの臭の成分を選定し、「フェムテック関連製品の消臭性試験」の受託を開始しています。

 下表では経血臭、おりもの臭の臭気カテゴリーに対して、主な臭気成分とされる物質を示しています。

臭気成分 経血臭 おりもの臭
プロピルメルカプタン
メチルメルカプタン
トリメチルアミン
二硫化ジメチル(ジメチルジスルフィド)
硫化ジメチル(ジメチルスルフィド)
イソアミルアルコール
イソ吉草酸
ジアセチル
アセトイン
イソバレルアルデヒド

試験対象品
  • 肌着類
  • サリタニーショーツ
  • アンダーパンツ
  • 生理用ナプキン
  • おりものシート
機器分析(検知管法)
試験方法
  1. 試料は、生地の場合100cm2以上、糸・わたの場合1.0g以上用意します。
  2. サンプリングバッグに、試料と測定対象ガスを入れます。
  3. 一定時間後にガス濃度を検知管にてガス濃度を測定します。
  4. 同時に実施した対照試験結果より、臭気成分減少率を算出します。

試験結果の見方
  • 臭気成分減少率が大きいと消臭性能が高いことを意味します。
  • 一般的な目安値はありませんが、消臭加工品と未加工品などの比較試験となります。
補足

検知管法では次の臭気成分に用いられます。

  • プロピルメルカプタン
  • メチルメルカプタン
  • トリメチルアミン
  • 二硫化ジメチル(ジメチルジスルフィド)
  • 硫化ジメチル(ジメチルスルフィド)
機器分析(GC法)
試験方法
  1. 試料は、生地の場合50cm2以上、糸・わたの場合0.5g以上用意します。
  2. 三角フラスコに、試料と測定対象溶液を入れます。
  3. 一定時間後にGC(ガスクロマトグラフ)でガス濃度を測定します。
  4. 同時に実施した対照試験結果より、臭気成分減少率を算出します。

試験結果の見方
  • 臭気成分減少率が大きいと消臭性能が高いことを意味します。
  • 一般的な目安値はありませんが、消臭加工品と未加工品などの比較試験となります。
補足

GC法では次の臭気成分に用いられます。

  • イソアミルアルコール
  • イソ吉草酸
  • ジアセチル
  • アセトイン
  • イソバレルアルデヒド
  • 二硫化ジメチル(ジメチルジスルフィド)