ブルーシートの試験(JIS A 6932)

概要

2026年2月20日、「JIS A 6932 屋根用応急シート- ポリエチレンクロス・ラミネートシート」が制定されました。

「屋根用応急シート」とは、台風や地震等の被災時に 屋根の修理を行うまでの応急処置を目的として使用される「ブルーシート」と呼ばれるもののことです。

 

当該JISで対象となるブルーシートは、質量138~170g/m2で、#3000Jという記号で表されているものです。

工事現場などの養生シート、野積み用カバーシート、トラックの輸送用カバーシートおよびレジャーシートは対象外です。

 
品質

JIS A 6932で規定されている品質は次の通りです。

【初期性能】

性能項目 評価項目 品質
力学的性能・一般部 引張強さ

長辺方向 10N/mm以上

短辺方向 10N/mm以上

伸び率

長辺方向 10%以上

短辺方向 10%以上

引裂強さ

長辺方向 49N以上

短辺方向 49N以上

力学的性能・接合部 接合部引張強さ

7N/mm以上

力学的性能・はとめ部 はとめ部強さ

長辺方向 300N以上

短辺方向 300N以上

防水性能 防水性

1,000mm以上

 

【耐久性能】

性能項目 評価項目 品質
耐候性・力学的性能 引張強さ保持率

長辺方向 60%以上

短辺方向 60%以上

伸び率保持率

長辺方向 80%以上

短辺方向 80%以上

耐候性・防水性能 防水性 1,000mm以上
長期保管性・耐折れ性 引張強さ

長辺方向 7N/mm以上

短辺方向 7N/mm以上

防水性能 恒温槽に静置した後の外観

ラミネート加工によって作られた層に

粘着、亀裂、損傷、剥離などの異常がない。

JIS A 6932 表1より(表は当センター作成)


目的

JIS A 6932が制定されたことにより、品質や試験方法等が標準化され、各自治体や補修作業を行う施工業者等が、製品を適切に選択することが期待されています。


試験対象品
  • 屋根用応急シート
  • ポリエチレンクロス・ラミネートシート
  • ブルーシート
引張強さ及び伸び率
概要
  • JIS L 1096 A法(ストリップ法) により、平均最大荷重(N)および平均伸び率(%)を求めます。
  • 平均最大荷重を試験片幅50mm で除して、引張強さ(N/mm)を算出します。
    引張強さ(N/mm)=最大荷重(N)/試験片の幅(mm)
 

引裂強さ
概要
JIS L 1096 C法(トラペゾイド法) により、最大荷重(N)を求めます。
接合部引張強さ
概要

JIS A 6932 附属書A法により、接合部引張強さを求めます。

  • 長さ約300mm、幅50mmの試験片を、接合部が中央に来るように採取します。
  • 定速伸長形引張試験機に、接合部が中央に来るように試験片を装着します。

  • JIS L 1096 A法(ストリップ法)によって平均最大荷重を求めます。
  • 平均最大荷重を試験片幅50mm で除して、引張強さ(N/mm)を算出します。
    引張強さ(N/mm)=最大荷重(N)/試験片の幅(mm)
はとめ部強さ
概要

JIS A 6932 附属書B法により、はとめ部強さを求めます。

  • 長さ約300mm以上、幅450mm以上の試験片を、はとめ部が中央に来るように採取します。
  • 定速伸長形引張試験機に、はとめ部が中央に来るように試験片を装着します。また、はとめ部にロープを掛け、下部は加圧用治具で固定します。

  • 引っ張った時の平均最大荷重を求めます。
防水性
概要
JIS L 1092 A法(低水圧法) により、耐水度(mm)を求めます。
耐候性
概要

耐候性は、ブルーシートの耐久性能を評価する項目です。

屋外使用を目的にキセノンアークランプ(太陽光に近い光)照射と水噴霧を繰り返し行い、その後、ブルーシートの強度、伸び率および防水性を評価します。

  • JIS A 1415 WX-A法 サイクルNo.1(102分間照射、18分間照射及び水噴霧)に規定の、キセノンアークランプによる暴露試験を1,000時間実施します。

  • 耐候処理した試料を、JIS L 1096 A法(ストリップ法)にて引張強さおよび伸び率を求めます。また、JIS L 1092 A法(低水圧法)にて耐水度を求めます。
  • 引張強さおよび伸び率は、耐候処理前後の測定値より保持率を求めます。
    引張強さ保持率(%)=(処理後の引張強さ(N/mm)/処理前の引張強さ(N/mm))×100
    伸び率保持率(%)=(処理後の伸び率(%)/処理前の伸び率(%))×100
長期保管性(耐折れ性)
概要

JIS A 6932 附属書C法により、長期保管性(耐折れ性)を求めます。

  • 長さ約300mm以上、幅50mmの試験片を採取し、長さ約150mmの状態で折り畳みます。
  • 折り畳んだ試験片をスレート板で挟み、2.1kgのおもりを載せます。
  • その状態で70℃、90%RHの恒温恒湿器に91日間静置します。
  • その後、恒温恒湿器から取り出し、外観を確認し、さらに折れ目を中心に引張強さを求めます。

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