ニッケルの溶出試験

概要

 金属製品のうち長時間肌に触れる可能性のあるものに対し、ニッケルの溶出量を定量します。


目的

 欧州では、女性の10~20%と男性の1~3%はニッケルアレルギーであると言われており、ニッケルは接触性アレルギーの主な原因物質であると考えられています。例えば、ピアスのように肌に直接・長時間接する製品から汗等にニッケルが溶け出し、それを皮膚が吸収することにより皮膚感作が起こります。以下のように使用が制限されています。


※:EN 1811:2011+A1:2015 Introductionより引用
 

対象
EU 金属製のアクセサリー、リベット、ボタン、ジッパー等
韓国

試験方法
EN 1811:2011+A1:2015
試験方法
 図に示すように試料に人工汗液を加えて金属を抽出し、ICP-MS(誘導結合プラズマ発光分光分析装置)により、その成分を測定(定量)します。
 
試験結果の見方

REACH規則 No1907/2006のNo.27 Annex XVIIに制限値が設定されています。

対象品目 制限値(移行限界値)

皮膚に直接長時間接触することを目的とした物品

(イヤリング、ネックレス、ブレスレット、チェーン、アンクレット、指輪、腕時計(本体、バンド、留具)、リベット(ボタン、留具、ジッパー)、衣服に利用される金属製品)

0.5μg/cm2/week
ピアス(ファーストピアスなども含む) 0.2μg/cm2/week

補足

コーティングのあるものはEN 12472も適用します。