【徹底解説】SuMPO EPDとは?
 ~取得の流れから費用まで~

公開日:2025年4月25日 最終更新日:2026年5月26日

SuMPO EPD取得を検討する中で、こんなお悩みはありませんか?

  • LCA算定の専門知識を持つ人材が社内にいない。
  • そもそも何から手をつければいいか分からない。
  • PCRの解釈が難しく、自社製品への適用が判断できない。
 

もし1つでも当てはまる方は、ぜひ本ページを最後までご覧ください。
本ページを読めば分かること

  • EPDの基本
  • SuMPO EPD取得までの具体的な流れ
  • 貴社の状況に合わせた最適なサポート内容
 

目次

 

1 EPD(Environmental Product Declaration)とは?

EPD(環境製品宣⾔)とは、製品の環境情報を開示する仕組みです。LCA(ライフサイクルアセスメント)手法を用いて製品の環境情報を定量化し、その結果を第三者のLCA専門家が検証します。これにより、透明性と公平性が担保された情報開示が可能です。近年、製品の環境情報開示にLCAを活用する企業が増えており、EPDはこの需要に応える有効な手段です。

 

EPDの活用例(メリット)

EPDの活用例(メリット)として、下記が挙げられます。

  • 秘密情報を守りながら、第三者検証済みの透明性の高いLCA情報(一次データ)として、取引先に提供できます。
  • 特に欧米では、公共調達や、「LEED(建築分野)」「EPEAT(電子電気分野)」等の認証制度でEPD活用が進んでいます。
  • 国土交通省は、2028年度を目処とした「建築物のライフサイクルカーボン評価制度」の運用開始に向け、現在検討を進めています。建築物のライフサイクルカーボンを評価するためには、各建材のCO2原単位が必要となり、EPDの活用が挙げられています。
    もし、こちらの動向を詳しく知りたい方は、下記より資料をダウンロードすることができます。
   

EPDはISOに規程された環境ラベル

国際標準であるISOには3種類の「環境ラベル」が規程されています。環境ラベルとは、製品の環境情報を受け手に伝えるツールです。
EPDはISO 14025(Environmental labels and declarations - Type III environmental declarations−Principles and procedures:環境ラベル及び宣言 - タイプⅢ環境宣言−原則及び手順)に基づき、製品の環境情報(LCA結果)を第三者が検証して開示する環境ラベルです。

ISOに規程された環境ラベルの比較表

環境ラベル種 規格 概要 日本国内の例
自己宣言 ISO 14021 各事業者が独自指標に基づき自己主張を行う 各社の自己宣言
Ecolabel ISO 14024 ある基準に合格していることを証明 エコマーク
EPD ISO 14025 製品の定量的環境情報(LCA結果)を検証して開示 SuMPO EPD
 

日本国内のEPDは「SuMPO EPD」

ISO 14025に準拠し運営されるEPDのプログラムは、世界で30以上あります。日本では、一般社団法人サステナブル経営推進機構(通称:SuMPO)が、国内唯一のEPDプログラム(SuMPO環境ラベルプログラム)運営機関です。SuMPO環境ラベルプログラムは、歴史あるプログラムであり、世界で2番目に長い運営実績を持ちます。SuMPO環境ラベルプログラムのEPDは、2024年に名称変更があり、「エコリーフ」から「SuMPO EPD」に刷新されました。

 

 

2 EPDの特徴

なぜ、EPDは透明性の高い製品環境情報と言えるのでしょうか?
EPDには、透明性の高い製品やサービスの環境情報を開示するために、次の4つの特徴を有します。

 

特徴

  1. LCA手法
    LCA手法により、製品の環境影響を科学的に定量評価します。
  2. 製品別LCA算定ルール(PCR)
    透明性や公平性担保のため、製品毎の共通LCA算定ルールに基づいて、LCA算定・検証・情報開示を行います。
    この製品毎の共通LCA算定ルールのことをPCR(Product Category Rule)と言います。

  3. 第三者検証
    事業者が作成したEPDに対して、第三者のLCA専門家(検証員)が検証を行います。
    この第三者検証が、EPDの信頼性を高める重要なプロセスとなります。

  4. 情報公開
    LCA算定結果と関連する定性的な情報を公開し、適切な環境コミュニケーションを促します。

 

EPDとCFP(カーボンフットプリント)の違い

よく耳にする「CFP(カーボンフットプリント)」。このCFPとEPDは何が違うのでしょうか?
大きな違いとしては、対象とする「環境影響領域」です。下表のように、CFPは「気候変動のみ」を対象とするのに対し、EPDは気候変動を含む複数の環境影響領域を対象としており、多面的な情報を提供できることになります。

EPD CFP
  • 気候変動
  • オゾン層破壊
  • 富栄養化
  • 酸性化
  • 光化学オキシダント
  • 気候変動のみ



     
 

特に建築分野を対象にしたEPDの場合は「ISO 21930:2017:建物および土木工事における持続可能性-建設製品およびサービスの環境製品宣言のコアルール」に準拠する必要があり、下表の通り、必須となる開示項目が多くなります。

環境影響領域 資源の使用に関する指標 排出物に関する指標
  • 気候変動 - 化学由来
  • 気候変動 - 生物由来
  • 気候変動 - 土地利用及び改変
  • 気候変動 - 合計
  • オゾン層破壊
  • 富栄養化
  • 酸性化
  • 光化学オキシダント
  • 非生物資源枯渇 - 鉱物(任意)

     
  • 再生可能一次資源 - エネルギー
  • 再生可能一次資源 - エネルギー含有材料
  • 非再生可能一次資源 - エネルギー
  • 非再生可能一次資源 - エネルギー含有材料
  • 二次材料
  • 再生可能二次エネルギー
  • 非再生可能二次エネルギー
  • 回収エネルギー
  • 非生物資源枯渇 - 化石燃料
  • 淡水の消費
  • 有害廃棄物
  • 無害廃棄物
  • 高レベル放射性廃棄物
  • 中間及び低レベル放射性廃棄物
  • 再利用可能な部品
  • リサイクル用材料
  • エネルギー回収用材料
  • 廃棄物からの排出エネルギー
  • 廃棄物処分量
  • 廃棄物処理からの回収エネルギー
 

3 GPI(General Program Instructions:基本プログラム要件)

SuMPO EPDを取得する上で必ず確認いただきたいのが「GPI」です。GPIは、SuMPO環境ラベルプログラムの「基本プログラム要件」であり、プログラム全体のルールブックのようなものです。例えば「GPI Annex A」には、「LCA算定方法の要求事項」が記載されており、LCA算定の際には重要な指針となります。
なお、2024年にSuMPO環境ラベルプログラムのプログラム要件がGPIと名称変更されると共に内容の見直しが行われて一新されました。移行期間を経て、2025年10月1日からはGPIにプログラム要件が完全移行となります。
GPIの入手は、 本プログラムのWEBサイト上 (SuMPO EPDサイトに移動します)で可能です。

 

2026年4月にGPI ver2.2.0として改訂されました。主な改訂内容は下記の通りです。
移行期間が2026年7月26日までとなっておりますので、ご留意ください。

  • グループ製品EPDの要求事項を改訂
  • EPDの種類に、特定の企業のみに開示する「Limited EPD」を追加
  • EPDの種類に、小売業者や卸売業者等が自社の製品として取得する「商社EPD」を追加
 

4 SuMPO EPD取得の流れ

SuMPO EPD取得までの流れをまとめると次の通りです。

 

Step1:PCRの選定

SuMPO EPD取得の第一歩は、申請予定の製品に該当するPCRを選定することです。2026年5月現在、一部を抜粋すると下記のようなPCRがあります。なお、セメント、太陽光発電モジュール等のPCRも現在策定が進んでいます。
PCRの検索は、 本プログラムのWEBサイト上 (SuMPO EPDサイトに移動します)で可能です。

 
建築分野 建築分野以外
  • 建材及び建設製品
  • 建設用鉄鋼製品
  • プレキャストコンクリート
  • 生コンクリート
  • 建設用木材、木質材料
  • 断熱材
  • ロックウール耐火被覆材
  • せっこうボード
  • タイルカーペット
  • 高分子系張り床材
  • 二重床
  • 窓、サッシ
  • 板ガラス
  • 熱硬化性樹脂化粧板
  • 浴室用壁、天井パネル
  • ステンレス製品
  • 水輸送用ポリエチレンパイプ
  • 樹脂製ルーフドレン
  • カーテンレール及びブラインド類
  • 壁紙
  • 塗料及び化学的前処理剤
  • 衣料及び繊維製服飾雑
  • 糸及び生地
  • 電気、電子製品およびその部品
  • 画像入出力機器
  • IT機器
  • 配電盤
  • 遮断器、断路器
  • プラスチック原材料
  • セルロース誘導体
  • 再生フロン
  • 印刷インキ
  • 加工食品および飲料製品
  • ハム、ソーセージ
  • 食用植物油脂
  • うるち米
  • 清涼飲料
  • 食器
  • 文具、事務用品
  • ウォッチ
  • 紙製容器包装
  • プラスチック容器包装
 

PCR選定時の2つのポイントを下記に記載します。

  1. 申請予定の製品がPCRに該当するか判断する際は、PCRの名称だけではなく、必ずPCRの適用範囲を確認してください。
    PCRの適用範囲外の場合は、検証申請で不適合となってしまいます。ご留意ください。
  2. PCRの中には、GPIではなく、旧プログラム規程に基づき作成されたものがあります。その場合「読み替え附属書」を併用する事で、GPIに対応した検証申請を行う事が可能です。読み替え附属書の入手は、 本プログラムのWEBサイト上 (SuMPO EPDサイトに移動します)で可能です。
    選定したPCRがどちらのプログラム規程に基づき作成されたものか確認してください。
 

該当するPCRが存在しない場合
該当するPCRが存在しない場合は、PCRの新規策定が必要です。PCRは、ISO 14025 及び ISO/TS 14027(Environmental labels and declarations - Development of product category rules:環境ラベルおよび宣言 - PCR開発)に基づき策定されます。具体的には「PCRモデレーター」が中心となって多数の業界関係者により原案を作成し、第三者のLCA専門家による審査を経て策定されます。PCRモデレーターとは、座長のイメージです。PCRモデレーターを担うのは「SuMPO環境ラベルプログラム事務局が専任するLCA専門家」もしくは「事業者から立候補する方」となります。

PCR新規策定の流れをまとめると、下記の通りです。

  1. PCR策定提案
  2. 複数の利害関係者によるワーキンググループ編成
  3. ワーキンググループによるPCR原案作成
  4. プログラムWEBサイト上での意見公募
  5. LCA専門家による第三者レビュー(レビューパネル)
  6. PCR公開
 

当センターでは、PCRモデレーターの経験もあるエキスパートを擁しております。PCR新規策定についても、当センターでサポートさせていただくことが可能です。
PCR新規策定に関してお困りの際は、是非当センターまでお問い合わせください。

 

サステナビリティ経営推進部 サステナビリティ戦略推進室
TEL: 03-6736-5406

 

Step2、Step3:LCA算定およびEPD申請

PCRに基づいて、データ収集やLCA算定ならびにEPD作成を行います。特に最初の関門となるデータ収集では、「どんな情報を、どの粒度で集めればいいのだろう?」と手が止まってしまうお客様が非常に多くいらっしゃいます。 当センターは、お客様の製品や状況に合わせて必要なデータを具体的に整理し、丁寧にサポートさせていただきます。
なお、EPDは単一製品ではなく、複数製品を1つのEPDにまとめるグループ製品EPDとして登録公開する事も可能です。ただし、GPIの要求事項を満たす必要があり、無条件にグループ製品EPDとしてまとめられるわけではありません。特に建築分野においては「製品間のLCA結果の差異が±10%以内に収まっていること」が重要な要求事項です。グループ製品EPDのまとめ方は、多くのお客様が直面される課題でもあります。当センターは、グループ製品のまとめ方についても的確なアドバイスをさせていただきます。

 

なお、SuMPO環境ラベルプログラムでは、2025年8月現在、デフォルトのLCA算定ツールとして 「MiLCA」 があります。当センターは、MiLCAの販売代理店でもありますので、MiLCAに関するご相談にも対応可能です。

 

Step4、Step5:第三者検証およびEPDの登録公開

LCA算定及びEPD作成が完了後、SuMPO環境ラベルプログラム事務局に申請を行い、第三者検証で合格となれば、本プログラムのWEBサイト上でEPDの登録公開となります。第三者検証員から、どんな指摘を受けるんだろうとご不安な方もいらっしゃるかもしれません。第三者検証の対応も、当センターがサポートさせていただきますので、ご安心ください。なお、登録公開されているEPDは全て閲覧可能となっており、どのような製品が登録公開されているかご興味のある方は、 本プログラムのWEBサイト (SuMPO EPDサイトに移動します)をご確認ください。

 

5 カケンテストセンターのSuMPO EPD取得支援

当センターがお客様のSuMPO EPD取得を全面的にサポートします。サービスの特徴は下記の通りです。

 

エキスパートによる手厚いサポート

SuMPO認定LCAエキスパートを取得した7名が、お客様の状況に合わせて丁寧にサポートします。
検証員やPCRモデレーター経験者も在籍しており、あらゆるケースに対応可能です。

 

ワンストップ対応も可能

データ収集から、LCA算定、申請書類作成、第三者検証対応まで一貫して対応し、お客様の負担を軽減します。

 

お客様のご状況で選べる3つのプラン

当センターでは、お客様のご状況に合わせて選択いただけるように、3つのご支援方式をご用意しております。

「どのプランが合うか分からない」「まずは話だけ聞いてみたい」といったご相談も大歓迎です。
SuMPO EPD取得に関するご相談は、是非当センターまでお問い合わせください。

 

サステナビリティ経営推進部 サステナビリティ戦略推進室
TEL: 03-6736-5406

 

6 SuMPO EPD取得に関する費用

2026年5月時点のSuMPO EPD取得に関する費用を下表にまとめます。あくまで目安であり、確定金額ではありませんので、ご留意ください。

費用項目 金額 費用の説明
検証料※1 基本単価 30万円/EPD 検証申請時に発生する
費用。基本単価に加
え、該当する場合は、
追加料金が発生する。
追加料金 Core-PCR利用:
基本単価×10%
準拠規格追加:
基本単価×10%/規格
サイト数追加:
基本単価×20%/サイト
その他の特殊性:
ケースに応じて設定
EPDプログラム加盟料※1 小規模企業 20万円/年 EPDを登録公開し続け
る限り、毎年発生する
費用。企業規模によっ
て、金額が変動する。
中小企業 40万円/年
大企業 100万円/年
データ登録料※1 1~10件 2.5万円/EPD EPD登録公開時に発生
する費用。
11~50件 1万円/EPD
51~80件 0.5万円/EPD
81件~ 無料
算定ツール(クラウド
サービスMiLCAの場合)※2
標準ライセンス お問い合わせください SuMPO EPDのLCA算
定において必要とな
る算定ツールの費用。
EPD申請用ライセンス
当センターのSuMPO
EPD取得支援サービス※3
伴走型 お問い合わせください 当センターのサービス
をご利用いただく場合
の費用
算定代行型
スポット型

※1:正確な金額を知りたい場合は、SuMPO環境ラベルプログラム事務局様に見積り依頼をしてください。
※2:当センターはクラウドサービスMiLCAの正規販売代理店となりますので、見積書が必要な場合は、お問い合わせください。
※3:対象製品や算定条件によって変動するため、まずはお問い合わせください。

 

7 よくある質問

Q:SuMPO EPD取得には、どれくらいの期間がかかりますか?
A: 製品の複雑さやデータの準備状況により変動しますが、半年程度が目安となります。
Q:EPDの有効期限はありますか?
A: EPDの有効期限は、検証合格日より原則5年間です。
ただし、検証有効期間中においても、LCA データ等に変更があり、規定以上の変化が生じた場合には、更新が必要になることがあります。
Q:SuMPO EPD取得支援の費用はどのくらいかかりますか?
A: 貴社の状況やご希望の支援範囲に応じて個別にお見積りいたします。
まずは課題をお伺いする無料相談も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
Q:SuMPO EPD取得支援以外に、EPD取得にかかる費用はありますか?
A: はい、当センターのご支援費用の他に、EPD検証料、プログラム加盟料、算定ツール料が別途必要となります。
ご相談いただければ、費用の全体像についてもご説明いたします。
Q:LCA算定に必要なデータは、どのようなものがありますか?
A: PCRに記載されたデータ収集項目に準じて収集する必要があります。例えば、原材料の重量、エネルギー使用量(電気、ガス等)、輸送距離、廃棄物の量等です。当センターにご相談いただければ、お客様の製品や製造工程に応じて、具体的にサポートしますのでご安心ください。
Q:相談前に、社内で準備しておくべきことはありますか?
A: まずはEPDを取得したい対象製品と、EPDを取得したい目的を明確にしていただけるとスムーズです。 具体的な資料やデータは、最初のご相談時点では不要です。まずは、お客様の現状やお困りごとをお聞かせください。
Q:SuMPO EPDは、海外でも通用するのでしょうか?
A: EPDはISO 14025という国際標準に基づいたものですので、海外でもご活用いただく事は可能です。
ただし、情報の受け手側が特定のEPDプログラムを指定している場合もございますので、事前にご確認いただく事をご推奨します。
Q:取得したい製品に該当するPCRがありません。どうすればよいですか?
A: 該当するPCRがない場合は、PCRの新規策定が必要です。
当センターでは、PCRモデレーター経験のあるエキスパートも擁しており、新規策定もサポート可能です 。
Q:複数の製品をまとめて申請できますか?
A: はい、類似する複数の製品を「グループ製品EPD」としてまとめて申請することも可能です。
当センターのご支援を活用いただければ、申請方法についてもご相談可能です。
Q:他のコンサルティング会社との違いは何ですか?
A: 私たちの最大の強みは、SuMPO認定LCAエキスパートが10名以上在籍する組織力と、PCRモデレーターや検証員経験者による専門性です。また、LCA算定ツール「MiLCA」の販売代理店でもあり、ツールの導入からEPD取得まで一気通貫でサポートできる点も大きな特徴です。単なる算定代行に留まらず、お客様社内に知見を蓄積する【伴走型】プランもご好評いただいております。
Q:相談したら、契約を強く勧められませんか?
A: 決してそのようなことはございません。無料相談では、お客様の状況やお困りごとをじっくりお伺いすることに重点を置いています。その上で、EPD取得が本当に貴社の課題解決に繋がるのかを一緒に考え、最適な進め方をご提案します。まずはお気軽にお問い合わせください。