マイクロプラスチック※1による海洋環境への影響は、様々な団体のレポートや世界的な科学誌で発表されていることはご存じだと思います。マイクロプラスチックの発生源として、ペットボトルやビニール袋などの包装材料だけでなく、合成繊維、タイヤ、化粧品などからも発生していると言われています。
海洋に流れ出たマイクロプラスチックは、海に生息する魚などの生物の体内に入り込み、それを食する人間の体内にも入り込む可能性があります。また、世界経済フォーラムは「2050年に海洋プラスチックは、魚の量より多くなる」と2016年に発表しました。
当センターは、海洋プラスチックに関する環境問題を低減するため、繊維製品(生地)の洗濯時に発生するファイバーフラグメント※2量を計測し、ファイバーフラグメントの排出を抑えた繊維製品の開発のサポートを実施しています。
※1:直径5mm未満のプラスチックの破片、粒子、または繊維
(欧州CIAマイクロプラスチック問題に関するリーフレットより)
※2:繊維の短い断片(欧州CIAマイクロプラスチック問題に関するリーフレットより)
ファイバーフラグメント量を計測する方法は、現時点で以下の2つあります。
試験の 詳細はこちら をご覧ください。
当センターは、
Less Micro Plastic Project
の生地検査対応パートナーとして登録されております。
また、製品を対象とした試験はISO/FDIS 4484-3 として、規格開発が進められています。ISO/FDIS 4484-3 は、家庭用洗濯機で洗濯処理をおこない、排水中に発生するファイバーフラグメント量を測定します。この規格は、日本化学繊維協会が中心となって提案し、その試験方法を当センターが開発したものです。現在、国内外の関係者のコンセンサスを得ながら、規格制定に向けて取り組んでおります。