海洋プラスチック問題に関する試験のご案内

2022.12.12
試験・検査

     マイクロプラスチック※1による海洋環境への影響は、様々な団体のレポートや世界的な科学誌で発表されていることはご存じだと思います。マイクロプラスチックの発生源として、ペットボトルやビニール袋などの包装材料だけでなく、合成繊維、タイヤ、化粧品などからも発生していると言われています。

     海洋に流れ出たマイクロプラスチックは、海に生息する魚などの生物の体内に入り込み、それを食する人間の体内にも入り込む可能性があります。また、世界経済フォーラムは「2050年に海洋プラスチックは、魚の量より多くなる」と2016年に発表しました。


     当センターは、海洋プラスチックに関する環境問題を低減するため、繊維製品(生地)の洗濯時に発生するファイバーフラグメント※2量を計測し、ファイバーフラグメントの排出を抑えた繊維製品の開発のサポートを実施しています。
     

    ※1:直径5mm未満のプラスチックの破片、粒子、または繊維

      (欧州CIAマイクロプラスチック問題に関するリーフレットより)

    ※2:繊維の短い断片(欧州CIAマイクロプラスチック問題に関するリーフレットより)


     ファイバーフラグメント量を計測する方法は、現時点で以下の2つあります。

    1. AATCC TM212(アメリカの規格)
    2. Less Micro Plastic認証試験(伊藤忠ファッションシステム株式会社が展開する認証事業)

    試験の 詳細はこちら をご覧ください。


     当センターは、 Less Micro Plastic Project の生地検査対応パートナーとして登録されております。

     また、製品を対象とした試験はISO/FDIS 4484-3 として、規格開発が進められています。ISO/FDIS 4484-3 は、家庭用洗濯機で洗濯処理をおこない、排水中に発生するファイバーフラグメント量を測定します。この規格は、日本化学繊維協会が中心となって提案し、その試験方法を当センターが開発したものです。現在、国内外の関係者のコンセンサスを得ながら、規格制定に向けて取り組んでおります。

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