製品試験(JIS L 1930など)
概要
繊維製品の「製品試験」で実施している試験項目は次の通りです。
- 家庭用品品質表示法に基づく各種表示の確認
- JISに基づくサイズ表示の確認
- 不当景品類及び不当表示防止法による原産国表示の確認
- 外観・縫製:製品の外観確認および製品に使用されている材料の適否の確認
- 縫製検査:縫製上の欠点の確認
- 耐洗濯性、耐ドライクリーニング性:水洗いやドライクリーニングによる変退色、寸法・外観変化の確認
表示事項
試験方法
繊維製品の表示事項は次の項目があります。
この内、繊維の組成、家庭洗濯等取扱方法、はっ水性、表示者名及び連絡先については、「家庭用品品質表示法 繊維製品品質表示規程」で定められています。また、原産国表示については、「不当景品類及び不当表示防止法 商品の原産国に関する不当な表示」で定められています。
一方、サイズ表示については法律等で定められていないため、業界ではJIS規格に基づくサイズ表示が行われています。
外観・縫製
試験方法
製品の洗濯前の状態で、以下の事項を確認します。
- 使用材料に問題がないかの確認
(例)
- 生地にキズがないか
- ボタンが割れていないか
- ファスナーは正常に動くか
- プリントにべたつきがないか
- 縫糸にモノフィラメントが使用されていないか
- 製品全体の外観確認
(例)
- 製品に歪みが生じていないか
- 左右対称になっているか
- 柄合わせは正しい
- 起毛の方向性は合っているか
- 縫製仕様の確認
(例)
- 各部位は適切な縫製仕様となっているか
- 被り物の首回りや裾回りの伸び寸法は適切か
- 力の掛かる部位に補強等適切に縫製されているか
試験結果例
※:裾縫い部に針穴キズによる地糸切れが生じているため。
耐洗濯性、耐ドライクリーニング性
試験方法
家庭洗濯等取扱方法に基づく水洗い洗濯やドライクリーニングを行い、乾燥させた製品から次の項目を判定します。
- 外観上の変化
- 縫製の変化
- 変退色
- ブリード(色泣き)
- パッカリング
- 斜行率
- 寸法変化率
試験結果例
カットソーの場合
試験項目 |
試験結果 |
試験方法 |
外観 |
良好 |
JIS L 1930 C4M法
吊干し乾燥
|
縫製 |
良好 |
変退色 |
4-5級 |
ブリード |
5級 |
斜行 |
0.5% |
寸法変化率 |
身丈 |
-2.5% |
身幅 |
-0.5% |
袖丈 |
-2.0% |
補足
一般的には製品に表示されている「家庭洗濯等取扱方法」に基づき、水洗い洗濯やドライクリーニングを行います。表示されている洗濯方法の詳細は
こちら
をご覧ください。