防蚊性繊維製品が開発され、感染症を予防する有望な対策の一つとして期待されていますが、それを評価する公定法はなく、吸血源として人や動物を用いる試験が主流でした。そこで当センターは産学連携にて、吸血源に生物を用いない画期的な装置や試験方法を開発しました。この方法は、2018年12月に「JIS L1950-1生地の防蚊性試験方法 - 第1部:誘引吸血装置法」に採択されました。
JIS L 1950では、防蚊性繊維製品の機能・用途に応じて2つの試験方法が規定されています。いずれの試験方法も、試験蚊としてヒトスジシマカを使用します。
また、JIS L1950-1をベースとして新たな国際規格の開発をすすめ、2022年6月に国際規格ISO 24461(Textiles — Anti-mosquito performance test method using the attractive blood feeding apparatus)として発行されました。
吸血率F=NF/N×100 (%)
<装置概略図>
<吸血数測定の様子>
主に居住空間への侵入を防ぐアイテムに適用します。筒状にした試験片と10頭の試験蚊を小さなチューブに入れて接触させて60分後のノックダウン数を測定し、さらに試験片を取り除いて24時間後の死虫数を測定します。以下の計算式により、ノックダウン率と死亡率を算出します。
ノックダウン率D=ND/N×100 (%)
<装置概略図> |
<試験中の様子(防蚊加工網戸)> |
<試験中の様子(無加工ろ紙)> |