AP/APEOの定量試験

概要

 アルキルフェノール(AP)およびアルキルフェノールエトキシレート(APEO)の含有量を調べる試験です。APとAPEOは、特定の構造を持つ物質の総称です。

AP・・・NP(ノニルフェノール)/OP(オクチルフェノール)など

APEO・・・NPEO(ノニルフェノールエトキシレート)/OPEO(オクチルフェノールエトキシレート)など


目的

 アルキルフェノールエトキシレート(APEO)は、洗剤中の界面活性剤や乳化剤、染色助剤、プリント剤、紡績油剤など、繊維や皮革の加工に広く使われています。

 一方、アルキルフェノール(AP)は、APEOやポリマーなどの酸化防止剤および安定剤の製造における中間体です。直接加工に使うことはありませんが、APEOが環境中で分解されるとAPが生成されます。

 APおよびAPEOは、海洋汚染、生殖障害、胎児への毒性などが疑われる物質です。EU・台湾・韓国では使用が制限されています。金属以外の素材は、天然繊維・合成繊維、加工方法に関わらず、検出される可能性がある物質です。


ISO 18254 準用
概要

 繊維はこの方法で試験します。

試験方法
 図に示すように試料を有機溶媒で抽出し、ガスクロマトグラフ−質量分析計(GC/MS)により、その成分を測定(定量)します。
ガスクロマトグラフ-質量分析計(GC/MS)
ISO 18218-1
概要

 皮革はこの方法で試験します。

GC-MSおよびLC-MSによる溶媒抽出
概要
 ポリマーは、この方法で試験します。
試験方法

 試料を有機溶媒で抽出します。ガスクロマトグラフ−質量分析計(GC-MS)または、液体クロマトグラフ−質量分析計(LC-MS)によって、その成分を測定(定量)します。