
① 製品の組成表示を家庭用品品質表示法に基づき、適否を判定します。
【判定が素材確認の場合】
・組成表示で繊維が2種類以上混用され、その繊維の種類は確認しているが、混用率まで確認していない場合は「素材確認」とします。
・組成表示でカシミヤなどの獣毛繊維が表示されている場合、高度な鑑別作業が必要となるため、要望がなければ
「〇〇は毛として確認」とし「素材確認」とします。
【その他】
・組成表示でテンセルの様な商標が表示されている場合、商標の証明は技術的に難しいため「〇〇(商標名)は未確認」とします。
・組成表示で繊維以外のコーティング樹脂が表示されている場合、高度な分析作業が必要となるため、要望がなければ
「〇〇樹脂は未確認」とします。
② 製品の取扱表示を家庭用品品質表示法に基づき、適否を判定します。
・JIS L 0001に規定されている取扱い表示記号の番号を記載しています。→詳しくはこちら
③ 製品のサイズ表示をJIS(日本産業規格)等に基づき、適否を判定します。
・サイズ表示は法律ではなく任意表示です。
・業界標準としてJISが使用されることが多いため、JISに合致しなくても製品検査は合格になる場合もあります。
④ 製品の原産国表示を不当景品類及び不当表示防止法(景表法)等に基づき、適否を判定します。

⑤ 洗濯前の製品について、外観や縫製等の良否を判定します。
⑥ 耐洗濯性(又は耐ドライクリーニング性)は、製品を取扱い表示等に従って洗濯(又はドライクリーニング)した後を評価します。
・洗濯(又はドライクリーニング)の方法を記載しています。→詳しくはこちら
⑦ 洗濯後の製品について、外観や縫製等の良否を判定します。
・パッカリングは洗濯後の織製品の縫目のツレ(波打ちなど)を判定します。5級(良)~1級(不良)
・染色堅ろう度は洗濯後の色の変化や淡色部に対するブリード(色泣き)を判定します。5級(良)~1級(不良)
⑧ 洗濯後の製品の各部位の縮みや伸びを百分率で表します。+は伸びを表し、-は縮みを表します。
⑨ 顔料プリントやコーティング樹脂などの加工がされている場合の洗濯に対する耐久性を判定します。
・プリントなどの外観の良否や、色の変化、ブリード(色泣き)を判定します。

⑩ 上部の生地No.は下部の生地見本を意味します。

⑪ 生地検査における染色堅ろう度の結果です。
・光による変退色(耐光)、洗濯による変退色及び汚染(洗濯)、汗の付着による変退色及び汚染(汗)、乾燥時や湿潤時に
擦ったことによる汚染(摩擦)、ドライクリーニングによる変退色及び汚染(ドライクリーニング)の判定になります。
・変退色とは、変色や退色を意味し、汚染とは他の淡色物への色移りを意味します。

⑫ 生地検査における物性試験の結果です。
・物性試験とは物理的な作用により引き起る問題で、生地そのものの強度(引裂、破裂)、力を加えた時に縫目の糸が滑る
距離(滑脱)、摩擦された時のパイルの脱落性(パイル保持)、着用時の毛羽落ち性(毛羽付着)、着用時の毛玉発生
(ピリング)などがあります。
⑬ ホルムアルデヒドの試験結果です。
・乳幼児(24か月以内)や下着類は厚生省令で基準値が設けられています。
・乳幼児はA-A0、下着類はμg/gと言う単位で結果を表すことが決められています。
⑭ 生地検査の寸法変化率の試験結果です。
・寸法変化率では、洗濯、ドライクリーニング、プレス、浸漬などによる処理後の生地の伸び縮みを百分率で表します。
+は伸びを表し、-は縮みを表します。
⑮ 混用率の試験結果です。混用率とは、生地に使用されている繊維名とその繊維の混入割合を表します。

⑯ 試験報告書の受付番号及び、発行したラボ・試験室の名称です。
報告書の内容についてのお問い合わせは、この番号を発行した
ラボ・試験室にお申し出ください。
⑰ 所見欄では、試験条件や判定に関する情報、不適正や不良の理由、
その他特殊なケースの説明などが記載されます。通常「@」印など
で個別の不合格を明示しています。
⑱ 納入先などの基準名が記載されます。
⑲ ⑱に記載された基準名に基づき、製品検査の合否結果が記載されます。
ただし、サイズ表示の適否については製品検査の判定より
除外されることがあります。
⑳ ⑱に記載された基準名に基づき、生地検査の合否結果が記載されます。
色毎に合格・不合格を判定しますが、⑪物性試験など代表1色が
基準値に満たない場合は、全色不合格になることがあります。
㉑ 染色堅ろう度試験に用いた添付白布を記載しています。