「商品の原産国に関する不当な表示」の運用基準について

     原産国以外に下記の表示が含まれるものは、原則不当な表示となります。

    ・原産国以外の国名

    ・原産国以外の地名、その略称・通称・・・例:「U.S.A.」、「England」

    ・原産国以外の地域の名称・・・例:「ヨーロッパ」

    ・原産国以外の国の地図

    例【不当な表示】

    ニューヨーク

    SOCKS

    山 本 屋

     

     国内で生産された商品(以下「国産品」と言います)の表示について、事業者の名称が外国の国名または地名を含んだものであっても、日本の事業者の名称であることが明らかなときは、不当な表示に該当しません。

    例【不当な表示に該当しない】

    SHIRT

    製造 英国屋

     国産品の表示について、外国の国名、地名または事業者の名称等を含んでいても、商品の普通名称であり、原産国が外国であることを示すものでないことが明らかなものは、不当な表示に該当しません。

    例【不当な表示に該当しない

    品名 ボストンバッグ

     製造 ○○(株)

    品名 ホンコンシャツ

     製造 ○○(株)


    「商品の原産国に関する不当な表示」ページ で述べた下記事項は、その表示が和文によるものか、外国の文字によるものかを問わず、不当な表示の原因となり得ます。

    1. 原産国以外の国旗、国名、地名、紋章その他これらに類するものの表示
    2. 原産国以外の事業者またはデザイナーの氏名、名称または商標の表示

     次のような表示は、国産品についての不当な表示の原因となり得る「文字による表示の全部または主要部分が外国の文字で示されている表示」には該当しません。

    ・外国の文字(ローマ字綴りによる場合を含む。)で表示された国内の事業者の名称または商標であって、国内で生産された商品に表示されるものであることを一般消費者が明らかに認識していると認められるものの表示

    ・法令の規定により、一般消費者に対する表示として、日本語に代えて用いることができるものとされている表示(例:ALL WOOL)

    例【不当な表示に該当しない

            ALL WOOL

                SHIRT

         製造 ○○(株)

     

    ・一般の商慣習により、一般消費者に対する表示として、日本語に代えて用いられているため、日本語と同様に理解されている表示(例えば、「size」、「price」など)

    例【不当な表示に該当しない

       SIZE   LARGE

        製造 ○○(株)

     

    ・外国の文字が表示されているが、それが模様、飾りなどとして用いられており、商品の原産国が外国であることを示すものでないことが明らかな表示(例:模様として英文雑誌の切り抜きを用いたもの)


     国産品についての不当な表示にあたる恐れのあるものであっても、次のような方法で国産品であることが明示されている場合は、不当な表示に該当しません。(但し、次項の場合を除く)

    ①「国産」、「日本製」などと明示する方法

            SHIRT

          NEW YORK

              日本製

    ②「○○株式会社製造」、「製造者○○株式会社」などと明示する方法

         Pierre Cardin

         

        製造 (株) 〇〇屋

    ③事業者の名称が外国の文字で表示されている場合(ローマ字綴りによる場合を含む。)に、日本の国内の地名を冠した工場名を併記して明示する方法(但し、地名を冠していない工場名の場合は、その所在地名を附記します)

          ニューヨーク

          SOCKS

       ○○(株)岐阜工場 製造

          ニューヨーク

          SOCKS

       ○○(株)東部工場 製造

       千葉県柏市・・・・

    ④背景の色を目立つようにして、「Made in Japan」と表示する方法


     

     国産品についての不当な表示にあたるおそれのあるもので、「製造○○(株)」の表示をしてもなお、その商品の原産国がいずれであるかが紛わしいときには、これらの表示とともに、外国の国名等とその商品との関係を和文で明示しなければ、不当な表示に該当するおそれがあります。

    以下の3例は、前項に従った表示(製造 ○○株式会社)をしていますが、依然として原産国がどの国か分かりにくいため、不当な表示に該当する恐れがあります。

             SHIRT

              LONDON

          Fabric made in

               England

           製造 ○○(株)

                 SHIRT

                 PARIS

        Material, imported

            from  France

           製造 ○○(株)

                 SHIRT

                MILANO

              Italy/ Japan

           製造 ○○(株)

    例:外国の国名等とその商品との関係を和文で明示【不当な表示に該当しない】

                SHIRT

              LONDON

          Fabric made in

               England

                日本製

      (生地は英国製)

           製造 ○○(株)

                 SHIRT

                 PARIS

        Material, imported

            from  France

    この商品は、原材料をフランスから輸入し、○○(株)△△工場で製造したものです。

           製造 ○○(株)

                 SHIRT

                MILANO

              Italy/ Japan

    この商品は、イタリアのデザインにより、○○(株)で縫製しています。

           製造 ○○(株)

    「日本製」「製造○○(株)」「生地は英国、縫製は○○(株)」などによって原産国を明らかにするための表示は、次のように行います。

    1. 原則として、表示がされている表示媒体に明示する。
    2. 商品の原産国に関する不当な表示となるおそれのある表示が、商品、容器、包装またはこれらに添付した物(ラベル、タッグなど)にされている場合は、原産国を明らかにするための表示は、目立つようにして行うならば、これらのうちいずれの物に表示することが可能です。

    次のような行為は、告示備考第一項の「商品の内容についての実質的な変更をもたらす行為」に含まれません。

    1. 商品にラベルを付け、その他標示を施すこと。
    2. 商品を容器に詰め、または包装をすること。
    3. 商品を単に詰合せ、または組合せること。
    4. 簡単な部品の組立をすること。