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EPD(Environmental Product Declaration:環境製品宣⾔)とは、自社の製品やサービスの環境情報を第三者が検証し、透明性の高いデータを文書化する仕組みのことです。世界共通でISO 14025に準拠し、製品やサービスの環境情報を開示します。
EPDはISOに規定された環境ラベルの1種です。
各種環境ラベルによる比較表
環境ラベル種 | 規格 | 概要 |
---|---|---|
自己宣言 | ISO 14021 | 各事業者が独自指標に基づき自己主張を行う |
Ecolabel | ISO 14024 | ある基準に合格していることを証明 |
EPD | ISO 14025 | 製品の定量的環境情報(LCA結果)を検証して開示 |
近年、製品の環境情報開示にLCA(ライフサイクルアセスメント)を活用する企業が増えており、より透明性の高い環境情報開示の需要が高まっております。EPDはこの需要に応える有効な手段となり、ISO 14025に基づく第三者検証済みのLCA情報として情報開示できます。例えば、EPDを活用する事により、秘密情報を守りながら、第三者検証済みの透明性の高いLCA情報(一次データ)として、取引先に情報開示する事が出来ます(サプライチェーン上の情報コミュニケーションとして利用可能)。また、特に欧米では、公共調達制度や製品規制等でEPDの活用が進んでいます。
ISO 14025に準拠し運営されるEPDプログラムは、世界で30以上あります。日本では、一般社団法人サステナブル経営推進機構(通称:SuMPO)が、国内唯一のEPDプログラム(SuMPO環境ラベルプログラム)運営機関です。SuMPO環境ラベルプログラムは、歴史あるプログラムであり、世界で2番目に長い運営実績を持ちます。
SuMPO環境ラベルプログラムのEPDは2024年に名称変更があり、「エコリーフ」から「SuMPO EPD」に刷新されました。
なぜ、EPDは透明性の高い製品環境情報と言えるのでしょうか?
EPDには、透明性の高い製品やサービスの環境情報を開示するために、次の4つの特徴を有します。
透明性や公平性担保のため、製品毎の共通LCA算定ルールに基づいて、LCA算定・検証・情報開示を行います。製品毎の共通LCA算定ルールのことをPCR(Product Category Rule)と言います。
第三者のLCA専門家による検証を行います。
SuMPO EPD取得の検討にあたり、取得までの流れは次の通りです。
EPD取得の第一歩は、申請予定の製品に該当するPCRを選定することです。PCRの検索は、 プログラムWebサイト上 (SuMPO EPDサイトに移動します)で可能です。申請予定の製品がPCRに該当するかは、PCRに記載された「対象とする製品種別の定義」や「附属書のライフサイクルフロー図」等を確認します。
該当するPCRが存在しない場合
該当するPCRが存在しない場合は、PCRの新規策定が必要です。PCRは、ISO 14025及びISO/TS 14027に基づき策定されます(建築建設分野のPCRにおいては、分野別追加規格であるISO 21930にも準拠)。PCRの新規策定を希望する場合は、以下の手順で行います。PCRの新規策定についても、当センターでサポートさせていただくことは可能です。
PCRに基づいて、データ収集やLCA算定ならびにEPD作成を行います。特にデータ収集において、どのようなデータを集めればよいのか分からないとお困りの方が多く見受けられますので、丁寧にサポートさせていただきます。なお、EPDは単一製品ではなく、複数製品を対象とするグループ製品EPDとして登録公開する事も可能です。EPDの作成方法についても、適切にアドバイスさせていただきます。
LCA算定及びEPD作成が完了後、SuMPO環境ラベルプログラム事務局に申請を行い、第三者検証で合格となれば、プログラムWEBサイト上でEPDの登録公開となります。第三者検証の対応も、当センターがサポートさせていただきます。
なお、登録公開されているEPDは全て閲覧可能となっており、どのような製品が登録公開されているかご興味のある方は、
こちら
(SuMPO EPDサイトに移動します)からご確認ください。
当センターでは、上記のSTEP1〜STEP5まで一貫してサポートさせていただきますので、SuMPO EPD取得にご興味がある方は、是非一度ご相談ください。
サステナビリティ経営推進部 サステナビリティ戦略推進室
TEL:
03-6736-5406
注釈