この国際規格(ISO) は、カケンテストセンターが開発した「吸湿発熱B 法(改良法)」(吸湿発熱性カケンB 法)を基にしており、
既に日本の繊維製品の流通における品質管理では広く用いられる試験方法となっています。
この国内で実績のある試験方法の技術的妥当性が認められ、2015 年9 月に国際規格ISO18782 として採用されました。
これまでにカケンへ吸湿発熱B 法のご依頼をいただいた試験結果は、そのままISO18782 の試験結果として読み替えることができます。
これにより、国内バイヤーだけでなく、海外バイヤーへ提出する性能証明としてグローバルな活用が可能となります。
・吸湿発熱性とは、物質が空気中の水分を吸着する際に発生する熱(収着熱と言われる)を利用し、暖かさを持たせる機能(水蒸気を吸着(吸湿)し、温度を上げる(発熱)機能)です。
・肌から生じた水蒸気を繊維が吸着する際に生じる熱を利用しているので、直接肌に触れるような製品で多く利用されています。
・アンダーウェア、靴下、スポーツ用途など、多くの吸湿発熱繊維が市場で流通しています。
試料を20℃の環境下で、低湿度(40% RH)から高湿度(90% RH)へと急激に変化させ、加湿面
の温度変化を経時測定します。最高到達温度と試験開始温度の差から、上昇温度「Δ T(℃)」を求めます。
試験項目 | 試験結果 | 試験方法 | |
---|---|---|---|
試験品 | 対照品 | ||
吸湿発熱性 ΔT(℃) |
3.3 | 2.8 | ISO 18782 測定面:裏側 |
結果の見方:
・各試料の吸湿発熱による上昇温度Δ T が確認できます。
・各試料を比較して、試験品は対照品よりもΔ T が0.5℃高いことがわかります。