ISO17617 吸水速乾性試験のご案内(大阪)

2016.03.28
試験・検査

    国内及び海外で、国際規格により試験開始します

    ISO17617:2014「Textiles -- Determination of moisture drying rate」(繊維-水分の乾燥速度の求め方)

    これまで日本国内においても公定法が無かった吸水速乾性の試験方法が、国際規格(ISO)となりました。
    これにより、国内バイヤーだけでなく海外バイヤーへ提出する性能証明としてグローバルな活用が可能となります。
    この国際規格はカケンテストセンターが考案した拡散性残留水分率試験がベースとなっています。
    拡散性残留水分率試験と同様に経時的に重さを測定し、各時間の測定値より、水分が乾燥する過程の近似式を算出し、式の傾きから水分が乾燥する速度の指標などを求めます。そのため、過去に拡散性残留水分率試験で得た試験結果と相関した試験結果が得られます。
    なお、この試験は試験環境の影響を受けやすいため、温度や湿度のみならず、風速についても厳密に規定されており、再現性の高い試験方法となっております。(風速< 0.1m/s)
    この試験の結果報告には、吸水性(秒)や乾燥時間(100%)などが規定されています。

    試験方法(A1法)の概要


    ①.試験試料の中央に微量の水分を滴下して、吸水性(秒)を確認します。(バリデーションテスト)
    ②.試験試料の中央に微量の水分(0.3g) を滴下して、水分の拡散乾燥にともなう、試験片重量を5 分間隔で自動測定します。(拡散性残留水分率カケン法と同じ)
    ③.時間t における測定値と初期の測定値(試料のみの重さ)から、各測定時間における水分の重さを求めます。
    ④.初期の水分の重さに対して、各時間で水分が減少している割合Lt を求めます。
    ⑤.t(測定時間)とLt(減少した割合)の値から、近似式
      (y=ax+b)を求め、
      試験結果の乾燥時間(100%)、または乾燥速度などを得ます。

    測定例 (A1法)


    t(測定時間)とLt(減少した割合)の値から、近似式(y=ax+b)を求めます。
    (計算には、t:最大60 分まで、またはLt:最大90%までの値を用います)

    得られた近似式
    y=3.23x-0.23 から以下の結果を得ます。
    乾燥時間(100%) 31分
            ・・・100% 乾燥までの所要時間を表します。
               (近似式でy=100 のときのx)
    または 乾燥速度 3.23
            ・・・単位時間当たりの乾燥率の増加を表します。
               (近似式の傾き)

    ISO 附属書の基準例について


    ISO17617 附属書D の中には、乾燥時間(100%)を利用した性能評価の基準例が記載されております。
    これにより、試験結果の良否が評価できます。
    カケンでは日本国内市場の吸水速乾製品(94 点)について、試買試験を実施いたしました。
    試買試験の試験方法: ISO17617 A1 法(滴下重量0.3g)
    基準例の値と試買試験の結果を比較しますと、94 点中78 点が合格となりました。


    カケンでは国内8 カ所、海外の6 カ所の試験所にて、ISO17617 による受託試験を実施しております。
    また、附属書D の基準値例による合否判定も可能です。(混用率情報が必要となります。)
    お気軽にお問い合わせ下さい。

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