抗ウイルス性試験のご案内(大阪)

2016.03.28
試験・検査

    ISO 18184 Textiles -- Determination of antiviral activity of textile products
    ( 繊維-繊維製品の抗ウイルス活性の求め方 )

    抗ウイルス加工は、製品上に付着した感染性のあるウイルスの数を減少させる加工
    です。繊維製品上に付着したウイルスの感染価が減少する度合いを評価します

    ① 試料(抗ウイルス加工品および標準布)にウイルス液を接種します。
    ② 25℃で2 時間静置します。
    ③ 培地を用いて、試料に付着したウイルスを洗い出します。
    ④ 洗い出した液を段階希釈し、プラーク法によりウイルス感染価を測定します。
    ⑤ 抗ウイルス活性値を算出し、抗ウイルス性能を評価します。

    ● ウイルスと宿主細胞
     ウイルスは特定の宿主細胞に感染して増殖する性質を持ちます。
     以下の2種のウイルス・宿主細胞での評価が可能です。

    ● プラーク法
     ウイルスに感染した細胞が変性することを利用したウイルス量の測定方法です。
     ・サンプルに付着したウイルスをSCDLP 培地で洗い出します。
     ・6穴プレートに単層培養した宿主細胞へ段階希釈した洗い出し液を接種します。
     ・6穴プレートに寒天培地を入れて培養し、プラークを形成させます。
     ・培養後のプレートを染色して、形成したプラークを計数し、希釈倍率を乗じて、プラーク形成単位(PFU:Plaque Formation Unit)を測定します。
     ・このとき、ウイルスの感染により宿主細胞が損傷を受けている場合は色素を維持しないため、プラークは白い斑点として現れます。

    ● 抗ウイルス活性値の算出式
     試料と標準布それぞれにウイルスを接種し、一定時間放置後のウイルスの数の常用対数の差を求めます。
         Mv = lg(Va ) - lg(Vb )
         ここで、
         Mv: 抗ウイルス活性値
         lg(Va ): 接種直後の標準布のウイルス感染価(PFU/ 試験片)の常用対数
         lg(Vb ): 2 時間静置後の抗ウイルス加工品のウイルス感染価(PFU/ 試験片)の常用対数

             算出式は、(一社)繊維評価技術協議会のSEK マーク認証基準案に従った。

    ● 基準値
     ISO 18184 の附属書G(参考) 、SEKマーク認証基準では基準値が設定されています。

    規格・基準 抗ウイルス活性値 Mv 備考
    ISO 18184
    附属書G(参考)
    3.0>M v ≧2.0 Small effect
    Mv ≧ 3.0 Full effect
    SEK マーク認証基準 Mv ≧ 3.0 ・前処理:
     洗濯前及び洗濯後(洗濯回数は用途による)
    ・ウイルス種はA 型インフルエンザウイルス、
     ネコカリシウイルスの両方又はどちらか一方

    ● そのほか
    SEKマーク 繊維製品認証基準における機能性試験の指定試験機関です。
    抗ウイルス性試験のほか、抗菌性試験や各種バリア性試験など多種多様な試験を実施しております。

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大阪事業所 生物ラボ
TEL 06-6441-0399