JIS L1902 改訂のお知らせと今後の試験受託につきまして

2015.07.21
試験・検査

     平成27年7月21日(火)付けで、繊維製品の抗菌性試験方法 JIS L1902 が改訂となっております。今回の改訂は ISO20743:2013 との整合性を高めるためのものとなっており、主な改訂点は以下の通りです。

    表1. JIS L1902 の主な改訂箇所

    改訂箇所 旧JIS 新JIS 解説
    活性値の種類 静菌活性値
    殺菌活性値
    抗菌活性値 旧JISの静菌活性値と新JISの抗菌活性値は同等のデータとなります。殺菌活性値は廃止となります。
    活性値の計算手順 生菌数の常用対数の平均からの算出 生菌数の平均の常用対数からの算出 新JISでは試験成立条件として、"3試験片の常用対数の最小値と最大値の差が2以下"が規定されております。
    生菌数の定量下限の取り扱い 洗い出し原液の混釈平板にコロニーが認められない場合、<1として生菌数と各活性値を計算する 洗い出し原液の混釈平板のコロニー数が1以下の場合、1として生菌数と抗菌活性値を計算する 新JISでは、生菌数の定量下限時の不等号("<"または">")は無くなります。
    接種直後で採用される生菌数データ 抗菌加工布の接種直後の値が標準布より小さい場合、抗菌活性値の算出には標準布の生菌数データを用いる 新JISでは、即効性のある抗菌加工布への対応が追記されております。
    試験に用いる細菌 黄色ぶどう球菌、肺炎かん菌、MRSA、大腸菌、緑膿菌 黄色ぶどう球菌、肺炎かん菌、
    試験成立条件を満たす場合、 その他の細菌も使用可
    新JISでは MRSA、大腸菌、緑膿菌およびモラクセラ菌は"解説"に記載されています。

     なお、繊維製品向け業界標準の抗菌性能基準であるSEKマーク認証基準は重要な改訂内容を含むことから、周知期間を考慮して、平成28年度4月以降の改訂予定となっております。弊財団としましては、以下の通りの対応とさせていただきます。

    表2. ご依頼の種類と試験の対応状況

    ご依頼の種類 試験方法 新JIS変更時期
    一般向け*1 旧JIS 平成28年4月以降
    SEKマーク認証用 旧JIS 平成28年4月以降
    JNLA対応*2 新JIS 平成27年7月21日受付以降

    注:*1 – ご要望頂ければ新JIS対応は可能です。*2 – 旧JISでのJNLA対応は不可です。

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