2018(中華民国暦107)年3月22日、「服飾標示基準」の改正が発表されました。4年ぶりとなる今回の改正では、表示の対象に耳あてが追加、リサイクルダウンの表示が追加、いくつかのルールが2年前に改正された織品標示基準と同じになりました。主な改正内容と服飾標示基準に基づいた表示例をお知らせいたします。
服飾標示基準とは・・・コート、スーツ、ジャケット、スカート、パンツ、ワンピース、セーター、シャツ、下着、水着、パジャマ、靴下、帽子、スカーフ、マフラーなどの体に身につける繊維製品、皮革・毛皮製品についての表示ルールを定める法律です。タオル、寝具、インテリアなどの繊維製品は、織品標示基準の適用となります。
1.猶予期間
1年間(2019年3月21日まで)。改正内容は、即日対応可能。
2.主な改正内容
◎表示対象の雑貨類に「耳あて」が追加。
※雑貨類は、縫付ではなく、下札やパッケージでの表示も認められている。
◎リサイクルダウンを使用している場合は、リサイクルダウン「回收羽絨」と表示を行う。
◎織品標示基準のルールと同じになった内容。
・ダウンの混合率表示は、実際の測定値を下回ってはならない。
※「ダウン90%」と表示する場合は、ダウンが90%以上含まれていること。「ダウン89.9%」は、「ダウン90%」とは、表示できない。
・ダウンの種類を表示してもよい。
※鴨(アヒル)や鵝(ガチョウ)などの水鳥の名前を表示する。
・キャメル(駱駝)は「駱駝毛」、ラマ(美洲駝)は「美洲駝毛」と表示する。
※羊毛(駱駝)や羊毛(美洲駝)とは、表示できない。
・アクリル、アクリル系の用語の追加とアクリル系の定義の変更。
※アクリルは「聚丙烯腈纖維」又は「亞克力纖維」、アクリル系は「改質聚丙烯腈纖維」又は「改質亞克力纖維」の用語を使用できる。
※アクリル系の定義が、acrylonitrile35%~85%未満から、acrylonitrile50%~85%未満となった。
・オレフィンとポリプロピレンの文字の変更。
※オレフィンは「聚烴烯纖維」から「聚烯烴纖維」、ポリプロピレンは「聚丙烯」から「聚丙烯纖維」へ変更された。
・モダール(莫代爾纖維)、リヨセル(萊賽爾纖維)の追加。
・繊維名称の付属表1に記載のない繊維は、以下のCNS規格を参考に表示することも可能。
CNS14517-1「繊維用語(繊維材料)-第一部:天然繊維」・CNS14517-2「繊維用語(繊維材料)-第二部:人造繊維」
CNS2339-1「繊維混用率試験法-第1部:繊維鑑別」・CNS2339-2「繊維混用率試験法-第2部:繊維混用率」
◆表示例)ダウンコート
①商品名・・・商品検驗法で必須となっている。
②組成表示・・・表地、裏地、詰め物と分けて表示。
表面積の15%以上、重量5%以上の付属や装飾は、表示が必要。
繊維名称は、服飾標示基準の付属表1やCNS規格を参考とする。
③取扱い表示・・・1.洗濯、2.漂白、3.乾燥、4.アイロン、5.商業クリーニングを表示。図柄は、服飾標示基準の付属表2を参考とする。必要であれば、言葉で補足説明を行う。
④サイズ
⑤原産国
⑥製造者または輸入者名・住所・電話番号・・・台湾国内の連絡先に限る。
・②③⑤は、縫付ラベル、プリント、刻印などで、製品本体へ表示を行う。(乳幼児品や雑貨等には特例がある。)
・①④⑥は、製品本体または、下札やパッケージへ表示を行う。
※輸入品の特例・・・輸出国のルールに基づいた表示が(縫付ラベル、プリント、刻印などによって)製品本体にあれば、
下札などに服飾標示基準に基づいた表示をするだけで、台湾での販売が可能となる。