試験方法 | 採用している主な団体 (*1) |
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EN 1177 |
World Rugby(ワールドラグビー) JRFU(日本ラグビーフットボール協会) |
EN 14808 | World Athletics(世界陸連) FIBA(国際バスケットボール連盟) |
AAA method |
FIFA(国際サッカー連盟) FIH(国際ホッケー連盟) JFA(日本サッカー協会) JRFU(日本ラグビーフットボール協会) JHA(日本ホッケー協会) JAAF(日本陸上競技連盟) |
(*1)2019 年 4 月現在。カケンは、JFA、JRFU、JHA、JAAF の競技場人工芝の指定検査機関です。
EN 1177 は、HIC(*2) 値の測定によって、表層面の危険落下高さ ( 限界安全高さ ) を求める試験です。
統計上の有効なデータ分析に基づいて、「HIC=1000」は脳障害をもたらさないであろう上限値とされています。
直径 160mm、質量 4.6kg の半球状ヘッドモデルを任意の高さから落下させ、時間/加速度の軌跡から、公式によってHIC 値を計算します。落下高さを上げながら、HIC=1000 を超える高さまで試験を実施し、HIC=1000 に相当する危険落下高さ(メートル)を求めます。
World Rugby、JRFU の競技場人工芝性能基準では、危険落下高さは 1.3m 以上とされています。
HIC は、遊具設置面や、人工芝ピッチなどでの、落下・転倒時の頭部障害の可能性を予測するための指標
となります。国土交通省の「都市公園における遊具の安全確保に関する指針(改訂版)」では、遊具設置面の
衝撃吸収性能の参考値の一つとして、HIC 値を計測することが望ましいとされています。
EN 14808 は、通称 Berlin 法とも呼ばれ、表層面上に落下する物体の衝撃を低減する能力を測定します。表層面に置いたバネ上に、質量 20kg の錘を 55mm の高さから落下させ、表層面にかかる最大の力を記録します。
この力に対して、コンクリート面で同様に測定した最大の力との減少の割合から、衝撃吸収性(%)を求めます。各種スポーツ団体では、各競技で使用する表層面の特性に応じて、以下のようなフィールドテスト基準値を設けています。
World Athletics(世界陸連):35-50%
FIBA:min.50% (Level 1, permanent wooden flooring)、min.40% (Level 1, mobile wooden flooring)
25-40% (Level 2 and 3, permanent synthetic flooring)
AAA method は、EN 14808 の進化型の試験方法です。EN 14808 の試験機は、通称 Artificial Athlete と呼ばれていることから、この進化型の試験機は Advanced Artificial Athlete の頭文字をとって、AAA(Triple A)と呼ばれています。
この試験機では、バネが取り付けられている質量 20kg の錘を、55mm の高さから落下させ、落下の瞬間から表層面に衝撃を与えるまでの加速度を記録します。この力の減少の割合と、基準の力(理論上のコンクリート面にかかる力)から、衝撃吸収性(パーセント)を求めます。
FIFA:60-70% (FIFA Quality Pro)、55-70% (FIFA Quality)
World Rugby:55-70%
FIH:45-60%(Global)、40-65%(National)
JHA:45-60%(Global)、40-65%(National)
JFA:50-70%
JRFU:50-70%
JAAF:50-70%