赤外線放射特性(家庭用遠赤外線血行促進用衣 自主基準)

概要

「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)第2条第5項から第7項までの規定により厚生労働大臣が指定する高度管理医療機器、管理医療機器及び一般医療機器」(平成16年厚生労働省告示第298号)が令和4年(2022年)10月11日に改正されました。それに伴い、血行改善による疲労回復等を行う目的で使用する、体熱等を伝導及び吸収し、一定程度の遠赤外線として放出する機能を持たせた衣類形状の医療機器について、一般医療機器「家庭用遠赤外線血行促進用衣」として取り扱うことができるようになりました。
 

「家庭用遠赤外線血行促進用衣」の定義に該当する製品の評価基準については、「一般社団法人日本医療機器工業会の作成した「家庭用遠赤外線血行促進用衣自主基準」について」(令和4年10月14日付け厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課事務連絡)により、該当する製品の範囲、耐用期間、原材料、外観、形状、赤外線放射特性、血流量の変化などがあり、当センターでは、赤外線放射特性を評価しています。


試験対象品
  • 長袖シャツ
  • 半袖シャツ
  • 長ズボン
  • 半ズボン
家庭用遠赤外線血行促進用衣自主基準による方法(ISO 19618:2017準用)
試験方法
  1. 遠赤外線加工品(赤外線を放射させることを意図した加工を施したもの)および、当該加工を施していない未加工品を準備します。(組成 、形状 、質量、厚さ、色調、編立などが同等)
  2. 測定機の試料台は、40℃以上に設定します。(試料表面の温度が40℃または50℃になる温度)
  3. FTIR(フーリエ変換赤外分光法)にて、5~ 20μm の波長領域における分光放射率を測定します。

  4. 遠赤外線加工品と未加工品それぞれの全放射率を算出します。
試験結果の見方

5~20μmの波長領域の全放射率において、遠赤外線加工品が未加工品より、5%以上上回ること。


 

注意事項
  • 遠赤外線加工品と組成、形状、質量、厚さ、色調が同等の未加工品をご用意できない場合は、試験ができませんのでご注意ください。
  • 家庭用遠赤外線血行促進用衣の定義には、「上半身用及び下半身用があり、それぞれ少なくとも上腕部および大腿部を被覆する」となっていますので、半袖シャツで上腕部が覆われていないもの、半ズボンで大腿部が覆われていないものでは家庭用遠赤外線血行促進用衣に該当しません。また、靴下やアームリストのような、パーツ形状は該当しません。
  • 一般医療機器である家庭用遠赤外線血行促進用衣の使用目的または効果を標ぼうする際は、その定義に準じて、「遠赤外線の血行促進効果により疲労や筋肉のこり等の症状を改善する」と記載する方法や、遠赤外線の血行促進効果によることを記載した上で「血行促進」「筋肉のこり改善」「疲労の回復、改善」「筋肉の疲れを軽減」等と箇条書きにする方法が可能です。
    「筋肉痛、腰痛、生理痛、神経痛、関節炎等の症状改善や消炎効果」「むくみの改善」「代謝の促進」「運動効率の向上」「冷え性の改善」等の標ぼうはできません。
  • 家庭用遠赤外線血行促進用衣は一般医療機器(クラスⅠ)に該当し、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に届出を行います。詳細については、PMDAに直接ご相談ください。