かさ(傘)/強度試験(JIS S 4020:1994)

概要

JIS S 4020:1994(洋がさ)に規定されている傘の強度に関する試験で、「中棒の曲げ強度」と「中棒と手元又は飾り手元の取付強度」を説明します。


中棒の曲げ強度
対象製品
  • 長傘(手開き式)
  • 長傘(ジャンプ式)
試験方法
  1. 傘の閉じ止めひもを外したままで、中棒を水平にした状態で固定し、床からの石突き先端の中心部までの高さ(H0)を測定します。


     
  2. 石突きの先端部に1.5kgの重りを付け、1分間保持します。


     
  3. 重りを取り除き、床からの石突き先端の中心部までの高さ(H1)を測定します。


     
  4. 次式にて、残留たわみ(H2)を算出します。
    残留たわみ(mm) = H0(mm) - H1(mm)
     
  5. 次式にて、傘の長さに対する残留たわみが1/10以下(残留たわみ率:10%以下)かどうか算出する。
    残留たわみ率(%) = (H2 / L) ×100
     
  6. 各部に亀裂、破損、使用上に支障がある緩み、変形などを確認する。
     
  7. 続いて、傘から生地及び親骨を取り除き、中棒を水平にした状態で固定します。石突き先端部に傘の長さ(L)に対して1/5の長さになるまで荷重を掛け、1分間保持します。その後、中棒に破断が生じていないか確認します。

試験結果例
試験項目 試験結果
中棒の曲げ強度 1.5kg×1分
  • 5mm(1/10以下)
  • 各部に異常は認められない
L/5×1分 中棒の破断は認められない
試験方法:JIS S 4020:1994
試験結果の見方

JIS S 4020:1994による品質は以下の通りです。

  • 残留たわみが、中棒の手元取付部から石突き先端部までの長さ(L)の1/10以下で、かつ各部に亀裂、破損、使用上に支障がある緩み、変形などがないこと。
  • 石突き先端部に、中棒の手元取付部から石突き先端部までの長さ(L)の1/5までたわませた時に、中棒が破断しないこと。
補足

傘の構造については、下図を参考にしてください。


 


長傘(手開き式)




 


折り畳み傘(トップレス式)
中棒と手元又は飾り手元の取付強度
対象製品
  • 長傘(手開き式)
  • 長傘(ジャンプ式)
  • 折り畳み傘(手開き式)
  • 折り畳み傘(ジャンプ式)
試験方法
  1. 手元または飾り手元に静荷重を1分間掛けます。
     


     
  2. 掛ける荷重は下表の通りです。
    傘の種類 タイトル
    長傘 手開き式 540N
    ジャンプ式 600N
    折り畳み傘 手開き式 350N
    手開き式(飾り手元に限る) 200N
    ジャンプ式 600N

     
  3. 除重後、中棒、手元または飾り手元の亀裂、緩み、抜けなどを確認します。
試験結果例
試験項目 試験結果
中棒と手元の取付強度 異常なし
試験方法: JIS S 4020:1994
荷重:600N
試験結果の見方

JIS S 4020:1994による品質は以下の通りです。

  • 中棒、手元又は飾り手元に亀裂、緩み、抜けなどの使用上支障となる異常がないこと。