防炎性試験(消防法)

概要

 消防法、消防法施行令、並びに消防法施行規則によって防炎規制が定められており、火災予防が徹底される高層建築物や不特定多数の人が出入りする建物などでは、カーテン、じゅうたん等は「防炎物品」の使用が義務付けられています。

 当センターは消防法による登録確認機関ではありませんが、防炎物品の性能確認試験として評価を行っています。


防炎物品(カーテン等)
対象製品
  • カーテン
  • 布製ブラインド
  • 幕類
  • どん帳
  • 工事用シート
試験方法

前処理

 カーテンなど水洗い洗濯やドライクリーニングを行うものは、水洗い洗濯とドライクリーニングの前処理を実施し、前処理なし(未処理)と共に防炎性能基準に合格する必要があります(防炎ラベル種による)。


 

45°ミクロバーナ法および45°メッケルバーナー法

 カーテン、布製ブラインド、工事用シートなどに適用する試験です。薄手布(質量450g/m2以下)は45°ミクロバーナー法を、厚手布(質量450g/m2を超える)は45°メッケルバーナー法を用います。

 45°に試験片を傾けた状態で、炎の長さを45mm(60mm)に調整し、試験片の下から1分間(2分間)炎を当て、残炎時間、残じん時間、炭化面積を測定します[1分(2分)加熱といいます]。

 着炎するものは、着炎3秒後(6秒後)にバーナーの炎を取り除く試験を追加し、残炎時間、残じん時間、炭化面積を測定します[着炎後3秒加熱(6秒加熱)といいます]。

( )内は45°メッケルバーナー法の試験条件。
 

 
45°ミクロバーナー法   45°メッケルバーナー法

 

45°たるませ法

 炎に接した場合に試験片が収縮するものは、試験片をたるませた状態で試験機に装着し、45°ミクロバーナー法(または45°メッケルバーナー法)の1分加熱(または2分加熱)を行い炭化長を測定します。
 

 
45°ミクロバーナー法   45°メッケルバーナー法

 

45°コイル法

 炎に接した場合に試験片が溶融するものは、試験片を丸めてコイルの中に入れ、ミクロバーナーの炎の長さを45mmに調整し、試験片の下端に接炎します。燃焼または溶融が停止すると再度試験片下端に接炎します。これを繰り返し、元の試験片の下端から90mmのところまで燃焼または溶融した回数を求めます。


試験結果の見方

45°ミクロバーナー法・45°メッケルバーナー法の防炎性能基準(カーテン等)

評価項目 45°ミクロバーナー法 45°メッケルバーナー法
残炎時間 ≦3秒 ≦5秒
残じん時間 ≦5秒 ≦20秒
炭化面積 ≦30cm2 ≦40cm2


 

45°たるませ法の防炎性能基準(カーテン等)

評価項目 45°たるませ法
炭化長 ≦20cm


 

45°コイル法の防炎性能基準(カーテン等)

評価項目 45°コイル法
接炎回数 N=5試験で全て ≧3回
補足

用語の説明

  • 残炎時間:バーナーの炎を取り除いてから、試験片が炎を上げてやむまでの時間
  • 残じん時間:バーナーの炎を取り除いてから、試験片が炎を上げずに燃える状態がやむまでの時間
  • 炭化面積:着炎後燃える状態がやむまでに炭化した面積
  • 炭化長:着炎後燃える状態がやむまでに炭化した最大長さ
  • 接炎回数:バーナーの炎を接し、溶融し尽くすまでに必要な回数
コラム

消防法により、防炎物品を使用する必要がある主な対象物

  1. 高さ31mを超える高層建築物
  2. 地下街
  3. 劇場、映画館など
  4. 飲食店
  5. 百貨店、展示場など
  6. 旅館、ホテルなど
  7. 病院、診療所など(条件あり)
  8. 養護老人ホームなど
防炎物品(じゅうたん等)
対象製品
  • 敷物類
試験方法

45°エアーミックスバーナー法

 じゅうたんなどの敷物類に適用する試験です。45°に傾けたけい酸カルシウム板の上に試験片を設置し、垂直状態に立てたエアーミックスバーナーの炎の長さを24mmに調整し、バーナーを水平にしてから30秒間試験片に炎を当て、残炎時間、炭化長を測定します。


試験結果の見方

45°エアーミックスバーナー法の防炎性能基準

評価項目 45°エアーミックスバーナー法
残炎時間 ≦20秒
炭化長 ≦10cm