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ISO/TC94/SC14 インチョン会議 参加報告

会議日程


2012年6月4日(月)から2012年6月8日(金)までの5日間。


タイムテーブル

会議会場


韓国インチョン広域市 Sheraton Incheon Hotel 会議場。


会場となったホテル 会場周辺

所感


今回の会議で,特に建物火災用個人防護装備(WG2)において,ミックスアンサンブルが原案に書き込まれることになった。

このことにより,日本において現在使用されている個人防火装備の組合せも対応できるようになり、今まで障壁になっていた事案が解決されつつある。

過去10年近くに渡って何度も振り出しに戻りながらも審議されてきたこの議案は、再び一歩前に進み始めたと感じられる。


今後は各装備における性能要求水準の攻防およびそれぞれの装備品の性能の関係性についての議論が積極的に行われることが考えられる。

そこでカケンとしては、今後もISO内で規定されている数多くの個人防護装備に関する試験について対応可能にすることで、技術的支援を継続的に行っていきたい。


また,現在規格に使用されている試験方法は2000年前後に考案されたものが多いため,センサの性能の向上や種類の多様化等により現状の試験技術から乖離したものになりつつある試験がある。

ISOの会議の場で測定データを持ち合わせた上で試験方法の問題点や改善方法の提案が出来るように、今後も積極的に試験に取り組む必要があると感じた。


会議風景1 会議風景2
消防本部見学 Dunkook大学サーマルマネキン試験

各WG会議概要


WG 概 要
WG1(一般要求事項)

●ドイツによる個人防護装備全体の熱と炎に対する性能試験の結果報告があった。
⇒防火服は耐性が高かったが、呼吸器は耐性が低いなどアイテムによって有する耐熱性が異なっていることが明らかになった。
⇒装備ごとの製品性能差を補うためにもコンパティビリティが重要になる。

●カナダからISO 13506のサーマルマネキン(火炎ばく露)試験のラウンドロビンテストについての結果報告があった。
⇒7試験機関の試験結果から試験の再現性やセンサーのキャリブレーションについての課題が指摘された。

●消防防火服の熱・蒸発抵抗による快適性評価の規格原案は、EMPA(スイス)が企画開発したSweating Torso試験をNWIPとして提案される予定。
⇒現在の消防服の快適性評価方法(ISO 11092やASTM F 1868)に代わる新たな評価方法として非常に注目している。新規提案法は小片で実施する現行法の問題点を解決できることが期待する。

WG2(消防隊員用防護装備・FFPPE)

●ISO CD 11613 Part 1、2、3、4 について継続審議が行われた。今回の会議を経て、各原案をパート毎に、同時にDIS投票が行われることが決定した。

●PG1(General):
服・手袋・ヘルメット・靴などの防護装備の組合せ(アンサンブル)の考え方、呼び方について議論。防護装備の現状は欧州で主に使用されているタイプ1アンサンブル、北米で主に使用されているタイプ2アンサンブル、日本などではタイプ1やタイピ2を満たしたアイテムを自由に組み合わせて使用している。日本がかねてから提案していたタイプ1やタイプ2を組み合わせた仕様の装備を「ミックスアンサンブル」として第3のアンサンブルとして取り入れられることになった。
⇒日本が主張していた考え方が受け入れられ、日本の防火装備の組み合わせもISOへ対応する道筋が開けた。

●PG2(Compatibility):
各防護装備間の接合部における防護性能を評価する方法として、ISO 17491-5のシャワーテストが提案された。
⇒タイプ2アンサンブルに適用決定。

●PG3(Clothing):
液体危険物質からの防護という観点で耐液体浸透性は必要であること及び防火衣の快適性(THL)については、D3の項目では削除された。

●PG4(Glove):
CD原案に対して、使用材料ごとに試験を実施するという提案があったが、原案通り、材料を入手できない場合は製品を使用する案を採用。

●PG9(Fire hoods & Neck protection):
日本固有の防火装備である「しころ」についての規定追加の提案をした。他国で使用しているところはほとんどないため、製品の写真を投影しながら実状を紹介した。
⇒呼吸保護具やヘルメットとの関係性などの検討課題を有しているため、「しころ」も今後の検討アイテムとして取り入れられることになった。

WG4(危険物質事故)

●type1アンサンブル(危険物質対応用防護服)についての議論。前回のロンドン会議の規格原案をベースにした修正原案の議論を引き続き行った。かねてから議題になっている炎に対する性能要求として、耐炎計装マネキンを用いた試験法を任意項目として記載したCD原案が投票にかけられることになった。

●ISO 13994 耐液体浸透圧力試験のラウンドロビンテストの途中結果報告があった。一部の試料において、試験所によって結果が異なった。
⇒カケンからは、細かな試験の操作手順が異なることが、結果に影響を与えている可能性があることをコメントした。

WG5(非火災救助)
レスキュー用個人防護装備

●前回のロンドン会議で交通事故にフォーカスすることになっており、身体各部を各国で分担して原案作成が進められている。今回、日本からヘルメット・ゴーグル・耳栓・呼吸保護具の原案を提出。
⇒JPN、AUSの規格原案をベースにSC14にてNWIPとして取り扱うことに決定。

●Jongno消防本部見学。

全体会議

●各WGやPGから報告書が提出され、SC14のインチョン会議の報告文書を確認した。
今後の防火服・防護服の国際会議の予定が紹介された。
2013/2/4〜8:SC13 スイス サンクト・ガレン会議
2013/9/9〜:SC14 カナダ モントリオール会議(予定)。

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