HOME > 品質管理のための試験入門 > 汗堅ろう度試験

汗堅ろう度試験


「汗堅ろう度試験」とは、汗の作用による「色の変化の程度(変退色)」と「重ね着した他のシャツなどへの色移りの程度(汚染)」を評価するものです。


人間の汗には様々な成分が含まれています。それらの成分と体温の熱等の作用により、染色された衣料品の色が変わったり下着などに色移りすることがあります。

特にゴルフやテニスなどのスポーツをされた際に、脇の下などにベットリと汗をかいてしまい、プレイ後にシャツを脱いでみると下着に色がついてしまったような経験はありませんか?

これは、汗の作用によりシャツの色が下着に移ってしまったからです。


人工汗液


人間の汗は個人差が大きく、また同じ人でも食事内容や体調などにより汗が変わってきます。試験の都度、人間から汗を集めるわけにもいきませんし、"人間の汗"の標準というものは定めにくいのが現状です。

そこで試験では、人工的に汗の液を作ります。人工的に作った汗の液を「人工汗液」と呼びます。人工汗液には2種類あります。一つは酸性の人工汗液(pH:5.5)、もう一つはアルカリ性の人工汗液(pH:8.0)です。

pHは"ペーハー"または"ピーエイチ"と読みます。pHは化学の用語で、酸性やアルカリ性の程度を示すものです。"弱酸性"のボディソープ、"弱アルカリ性"の洗剤、"酸性雨"による環境問題などは耳にされたこともあるかと思います。

通常pH7が中性で、pHは小さいほど酸性を示し大きいほどアルカリ性を示します。理科の実験で、リトマス試験紙の青色が赤色になったり赤色が青色になるのもpHの変化によるものです。


試験操作


  • 試料に2種類の添付白布を取り付けて「複合試験片」を作ります。複合試験片は酸性の試験用と、アルカリ性の試験用とをそれぞれ用意します。
  • 酸性の人工汗液、アルカリ性の人工汗液をそれぞれ作ります。それぞれの人工汗液に、複合試験片を浸します。
  • ときどき複合試験片を押しつけて、人工汗液を複合試験片にしみこませます。
  • 30分たったら取り出して、プラスチック板と複合試験片をサンドイッチのように交互に挟み込んで荷重を加え「汗試験機」に取り付けます。汗試験機にはネジが付いており、加えた荷重が保たれます。これを温度37度で4時間、乾燥機に入れます。



  • 人工汗液に浸します(酸性およびアルカリ性)。
  • 汗堅ろう度1

  • 板に挟んで積み重ねます。
  • 汗堅ろう度1

  • 荷重をかけて、その荷重を保持します。
  • 汗堅ろう度3

  • 乾燥機中で熱処理します(37℃で4時間)。
  • 汗堅ろう度4

この後、複合試験片を一枚ずつ取り出して乾燥させます。乾燥させた後、「判定」をすることにより堅ろう度の数値を決めます。例えば、

  • 「汗堅ろう度 酸性試験 変退色:5級、汚染:4-5級」
  • 「汗堅ろう度 アルカリ性試験 変退色:5級、汚染:4級」

というようなものが汗堅ろう度の試験結果となります。

PAGE TOP