適用範囲

 プラスチック製品のかび抵抗性(かびの生えにくさ)を評価します。

試験方法

 プラスチック製品のかび抵抗性を評価する定性試験として、「JIS Z 2911 かび抵抗性試験方法 10.プラスチック製品の試験」が規定されています。またこの試験方法は以下の3種に分けられます。

試験方法寒天培地の種類胞子懸濁液の種類試験片の設置時期
方法A無機塩寒天培地湿潤剤添加無機塩溶液胞子懸濁液接種時
方法Bグルコース添加無機塩寒天培地グルコース添加無機塩溶液胞子懸濁液接種時
方法B'グルコース添加無機塩寒天培地グルコース添加無機塩溶液菌糸の発育後

試験方法概要

【方法A】

湿潤剤添加無機塩溶液を用いて、下記5種のかびの胞子を含む懸濁液(混合胞子懸濁液)を調製します。
無機塩寒天平板培地に30〜60mmの試験片をのせ、混合胞子懸濁液0.1mLを試料と寒天平板培地の全面に接種します。
接種後、寒天平板培地を29±1℃、相対湿度95%以上で4週間培養した後、培養後の試料表面を目視または実態顕微鏡で観察して、下表に従いかび抵抗性を評価します。

【方法B】

混合胞子懸濁液の調製にグルコース添加無機塩溶液を、寒天培地にグルコース添加無機塩寒天培地を用いるほかは、方法Aと同様の手順です。

【方法B’】

空のシャーレに試験片のみを入れ、方法Bと同様の混合胞子懸濁液を接種します。
同様に、グルコース添加無機塩寒天平板培地のみに混合胞子懸濁液を接種します。
方法Aと同様の条件にて、試験片入りのシャーレとグルコース添加無機塩寒天平板培地を、後者に菌糸の発育が確認されるまで培養します。
培養後、シャーレに入れた試験片を取り出し、菌糸の発育したグルコース添加無機塩寒天平板培地にのせ、再度同条件で4週間培養し、方法Aと同様の方法にてかび抵抗性を評価します。

試験で用いるかびの種類

 試験では、以下の5種類のかびの胞子を含む混合胞子懸濁液を使用します。

  • Aspergillus niger NBRC 105649
  • Penicillium pinophilum NBRC 33285
  • Paecilomyces variotii NBRC 33284
  • Trichoderma virens NBRC 6355
  • Chaetomium globosum NBRC 6347

培養後試験片の評価

 下表に従い、培養後試験片のかびの発育状態を評価します。

かび発育状態試料の評価
0肉眼および顕微鏡下でかびの発育は認められない。
1肉眼ではかびの発育が認められないが、顕微鏡下では明らかに認められる。
2肉眼でかびの発育が認められ、発育部分の面積は試料の全面積の25%未満。
3肉眼でかびの発育が認められ、発育部分の面積は試料の全面積の25%以上〜50%未満。
4菌糸はよく発育し、発育部分の面積は試料の全面積の50%以上。
5菌糸の発育は激しく、試料全面を覆っている。