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吸音性・遮音性の簡易評価試験方法の検討

住環境における快適性において、重要な要素のひとつに「音」が挙げられます。環境騒音対策は、特にマンションなどの集合住宅で、プライバシー保護の観点からも重要視されています。

騒音を軽減させる性能のことを、一般的に防音性といいます。防音性には音を反響させない吸音性と音を遮断する遮音性の2つの機能があり、目的や用途によって使い分けられています。

これらの機能性は、建材や自動車内装材の分野で用いられることが多いようです。消費生活の分野では、カーテンやカーペットなどのインテリア関連を中心に数多くのアイテムが出回っています。


概要


吸音・遮音

吸音性や遮音性など音に関する試験方法は、JIS A1409 、JIS A1416などがあり、残響室のような専用施設を使っておこなう方法が一般的であることが分かりました。

また、吸音性などの機能だけでなく、空気伝搬音(空気を伝搬してくる音)か固体伝搬音(固体を伝搬する音)か、対象とする音の種類で別々の試験方法があることが分かりました。

このような専用施設を使う方法は、実際の使用環境に近い条件で測定できますが、試料の準備や測定に長時間を要すという問題点もあります。そこでカケンでは、このような大掛かりな施設を使用することなく材料レベルで試験可能となる装置を導入しました。

吸音性を評価する簡易な方法としてJIS A 1405-2があります。この方法は音響管と呼ばれる金属の筒に試料を取り付け、垂直方向に入射してきた空気伝搬音の吸音性を評価するものです。遮音性を評価する簡易な方法は、一般的に運用されている規格はありませんが、上記の装置の機能を拡張することで、測定を可能としました。


結果


カーテン等のインテリア関連の製品を中心に試買し、バラツキや再現性についての基礎検討をおこないました。

一般的な吸音材であるウレタンとグラスウール、カーテンの吸音率を比較しました。どちらも再現性のよい安定したデータが得られましたが、薄物の試料に関してはほとんど吸音が見られず、この測定方法で捉えるのは難しいと考えられます。

今回検討した材料レベルでおこなう試験方法は、専用施設を使っておこなう方法より格段に小さな面積の試料で測定できますが、カーテンのような薄物は、試料の面積を小さくしたことで試料中に空気の伝搬路をほとんど持たないことになり、吸音率も極端に小さくなります。

よって、薄物の試料の吸音性については、一般的である専用施設を用いる方法が適していると言えます。一方、ウレタンやグラスウールなどは、厚みがあり試料中に空気の伝搬路が豊富に存在するため、試 料が小さくても十分に吸音性を検出することができます。


吸音率1

※50Hz〜1.6kHzは太管、500Hz〜6.4kHzは細管の測定結果を重ね書きしています。


次に、普通のカーテンと、遮音カーテンの透過損失を比較しました。

透過損失(dB)が大きいほど遮音性が高いことを示し、遮音カーテンは、特に1kHz以上の周波数領域で遮音性に優れていることが分かります。このように、遮音性に関しては薄物の試料であっても、遮音性のあるものとないもので十分層別が可能であることが分かりました。


吸音率2

材料レベルでの吸音性・遮音性の試験が実施可能となりましたので、一般的な吸音材・遮音材のみならず、カーテン等の薄物の遮音性についても比較試験が可能となりました。

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