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温熱刺激に対する生体反応計測方法の検討

繊維製品の着心地などを含めた快適性を評価するためには、物理的評価、生理的評価、心理的評価が必要であり、この中の生理的評価を行うために、これまでに各種の生体反応計測用機器と付帯設備を整備してきました。

これまでの成果として、寒冷環境下での重ね着、運動、送風による生体反応への影響を計測できるよ うになっています。

今回は暑熱環境下での生体反応計測にポイントを置き、心電計および精密体重計を追加整備し、各要因の効果について検討しました。


【計測概要】

被験者 健康状態良好な男性2名
着装状態 "薄着"(Tシャツ)と"厚着"(Tシャツ+フリース)の2水準
計測 20℃×65%RH、30℃×40%RHの2条件下
計測項目

皮膚表面温度(胸部、上腕部、大腿部、下腿部)、

衣服内温湿度(表面皮膚温度 と同一箇所)、

皮膚血流量(左手中指先)、

心電図、

体重減少量

測定スケジュール 安静30分、運動30分、回復30分
運動負荷 自転車エルゴメーターを使用
運動強度 脈拍上限120

【計測結果】

温熱刺激グラフ

心電図によるRR間隔の結果の一例を右図に示します。

RR間隔とは心電図の波形で一番大きくスパイク状に出るR波と次のR波までの間隔のことです。運動開始にともないRR間隔が低下し、また厚着のほうが薄着よりもRR間隔が短い傾向が確認できました。

皮膚温度は運動開始から徐々に上昇し、運動終了後に低下する傾向が確認できました。

血流量は運動開始に伴い一時低下した後、再び上昇する傾向が確認できました。これは交感神経が優位となり皮膚血管の収縮が起こるためと考えられます。また、運動開始に伴い衣服内温度、衣服内湿度、絶対湿度が上昇する傾向が確認できました。体重減少量は厚着>薄着、30℃>20℃となりました。

計測結果について統計解析を行った結果、被験者、環境温度の寄与率が大きいことが確認できました。また、着衣量の効果について有意差のみられやすい計測項目、計測部位が明確になりました。

以上の結果から、環境温度が生体反応に与える影響や被験者選定の重要性に加え、有意差のみられやすい計測項目・計測部位、状態について重要な知見を得ることができました。




暑熱環境下での生体反応計測を行い、各要因が生体に及ぼす効果などの基礎的知見を得ることができました。これまでに行ってきた文献調査や寒冷環境下での生体反応計測から得られた結果と併せて、顧客からの相談、問い合わせ、依頼に対応できる技術を習得することができたと考えられます。

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