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サーマルマネキンを用いた被服特性及び布特性との比較検討

サーマルマネキン

繊維製品の着用評価の重要な要因の一つに熱特性があります。

一般的には被服を構成する生地の保温性を評価することがほとんどですが、デザインや開口部の影響を加味した最終アパレル製品として保温性を評価するためには、サーマルマネキンを使用する必要があります。

そこでカケンでは、ISO 15831に対応したサーマルマネキンの仕様を検討し、導入しました。


【ISO 15831について】

「サーマルマネキンによる保温性(断熱性)の測定」についての規定であり、身長170±15cm、体表面積1.7±0.3m2などが規定されています。導入品はこれらの規定に対応しています。


【測定概要】

表面温度を34℃に一定制御したサーマルマネキンに被服を着せて、被服の保温性(clo値)を測定しました。数種類の被服を用いて重ね着の効果、被服サイズの効果、および送風の効果などについて検討しました。さらに、その被服を構成する生地の保温性も測定し、被服と生地の測定値間の関連性についても検討を加えました。


【測定結果】

①重ね着の効果 重ね着枚数の増加に伴いclo値が大きくなる。
②サイズの効果 MサイズとXLサイズでは、XLサイズのほうがclo値が大きい。
③ゆとり量の効果 今回の測定条件ではゆとり量の増加に伴いclo値が大きくなる。
④送風の効果 有風下ではclo値が小さくなる。
⑤被服重量の効果 被服重量の増加に伴いclo値が大きくなる。
⑥組合せの効果 被服状態のclo値は被服単品clo値の単純加算値の約80%の値を示す。
⑦clo値の相関性 生地のclo値と被服のclo値はやや弱い相関がある。また、被服clo値とISO記載のclo値(文献値)は非常に強い相関がある。



生地の保温性と被服の保温性の間には強い相関がないことが判りました。従って、生地開発段階では生地での保温性測定が有用であり、最終アパレル製品についてはサーマルマネキンによる保温性測定が有用であるといえます。

以上のことから、従来から行っている布特性の評価と併せてサーマルマネキンを活用することにより、より多角的に保温性を評価することができると考えられます。

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