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衣料品の黄変クレーム分析

衣料品の黄変クレームは数多くあり、特に白い生地が黄色く変色(黄変)したというケースが古くから多く見られます。

このような黄変の原因として、 光や窒素酸化ガスによる蛍光増白剤や染料、はっ水加工剤、更にアミノ系樹脂加工剤との化学反応などの例など、実に多くの要因が知られてきました。

この他、 従来から包装された衣料品等の黄変事例が広く知られており、その原因は長く不明でしたが、近年になってヨーロッパの分析報告によりポリエチレンやポリプロピレンなどビニール袋などに広く酸化防止剤として含有されているBHT(ブチル・ヒドロキシ・トルエン)が原因であることが明らかにされてきました。

当センターでもこの報告をもとに数年前から衣料品や包装材料中のBHTの検出定量を行い黄変事故の究明を行ってきました。

その結果、衣料品の黄変事故のうち意外に多くの場合がこのBHTに関係していることが分かりましたので、本調査では今までに試験した百例以上の黄変事故分析例の中から実際的な分析方法と知見の一部について報告します。


黄変物質について


黄変物質は、いくつかの黄変化合物が知られていますが、主として2,6-ジ-tert-ブチル-4-ニトロフェノール(以下DBNP)がよくクレーム事故を起こしていると考えられています。

従いましてDBNPに注目し、この物質を検出することによりBHT黄変であることが判定出来るのではないかと考え検討しました。

実際にBHTを酸化窒素ガス雰囲気中に暴露することによって黄変物質を生じるという事例から黄変物質はニトロ化合物ではないかと考え、DBNPが最有力候補と考えました。


黄変物質の確認


黄変事故品からエタノールにより抽出した物質は、私たちが合成したDBNPと同様の挙動を示し、またマススペクトルも一致することからもDBNPであることが確かめられました。


まとめ


実際の事故品においては、DBNPが検出される例が多く、これはBHT由来の黄変特定物質の一つであることが知られています。実際の事故品の中からはBHT以外に、類似の構造をもったBHB(2,4-ジ-tert-ブチルフェノール)が検出される例もあります。


黄変分析例

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